【巻頭エッセイ】禅のこころ(8)
百雑砕~思い込みを打ち砕く~
全生庵七世 平井正修住職による「禅のこころ」をテーマにした巻頭エッセイ
【対談】京都先端科学大学ビジネススクール教授、一橋ビジネススクール客員教授 名和高司氏/株式会社日立製作所 執行役副社長 德永俊昭
パーパス経営と日立
2021年、『パーパス経営30年先の視点から現在を捉える』を上梓され、多くの経営者に新しい視座をもたらした名和高司氏。デジタル事業全般の取りまとめ役を担う德永俊昭。社会課題の解決に取り組む日立を考察する二人の対談をダイジェストで紹介します。
【Pioneering Spirit】フェムテック(Femtech)
フェムテック発、だれもが働きやすい社会づくりへ
2003年より、国や企業は女性活躍推進に重点を置き、さまざまな制度の整備を進めている。しかし実態を見ると、期待する状況には遠く及ばない。その理由の一つには、働き続ける上で女性特有の健康課題とライフイベントを両立させる難しさがある。この社会課題を起点に、日立製作所内でも新しいビジネスプロジェクトが動き始めた。
【グラビア】時空を超え、ビジネスを育む名建築たち(8)
東京都庁舎[東京都・新宿区]
東京都庁舎が丸の内(現在の東京国際フォーラムの場所)から新宿への移転を完了したのは1991年3月のことだった。新旧両方の都庁舎を設計した人物が、33の国・地域で350以上の建築を手掛けた丹下健三だ。名だたる建築作品や海外の都市計画マスタープランを数多く手掛けてなお、建築への飽くなき探究心を有していた。
【EFOセレクション・Key Leader's Voice】作家・エッセイスト、元日銀副総裁 藤原作弥氏
近代日本160年の歩みから未来を展望する~時代を俯瞰する「知」を養うために~
Executive Foresight Onlineサイトで公開された中から【その1】40年周期で近代日本の変遷を見る【その2】歴史評価のあるべき姿を教えてくれた祖父を掲載しました。
【読書時間】東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授 治部れんげ氏
本の力を借りて、現実を直視し未来を考える
どんな基準で本を選び、読書体験から何を学んで来たのか。今回は男女共同参画やワークライフバランス、ダイバーシティ経営などの専門家である治部れんげ氏にお話を伺いました。
編集後記
情報誌『Executive Foresight』第5号をご覧いただき誠にありがとうございます。
今号では、「ジェンダーギャップ」「女性活躍推進」という課題をテーマのひとつとして、識者の皆さま、弊社幹部、従業員などさまざまな方面から多くの知見、考え、取り組みについてお話をお聞きし、読者の皆さまにお届けいたしました。
『読書時間』で今回取材させていただいた東工大の治部氏は、ジェンダーギャップという、長年日本の重大課題と指摘され国民全般に自覚があるにも関わらず、解決されない問題に対して、はっきりと現状を変えたくないという「現状維持バイアス」の問題だと言及されています。これは即ち各自の強い思い込みによる結果なのでしょうか。誰しもが何らかの無意識の思い込み「アンコンシャス・バイアス」に支配されています。
『禅のこころ』で全生庵の平井正修住職は、この無意識の思い込みに対する構えとして、「百雑砕」という禅語から、自分自身を縛り、自由を奪ってしまう固定観念やこだわり、思い込みを打ち砕くことの重要性を語られました。私たちも読者の皆さまも共にひとりひとりが自分ごととして考えるきっかけにしていただければとの願いを込めて、改めて平井住職の「百雑砕」についての言葉を書き記しておきたいと思います。
「心や思考を縛るすべてのものを打ち砕き、最後に残るぶれない軸を自覚せよ。思い込みに依存せず自分の足で立て。それによって初めて真の自由を手にできる」