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日立は、デジタルの力を活用し、地球環境、人々の幸福、経済成長が調和する、ハーモナイズドソサエティの実現をめざしています。そんな日立の取り組みを紹介する本企画“人と社会をライトアップ!”
今回は、ドローンや画像解析AI、デジタル技術を駆使し、安全で効率的に高度な点検を行える環境を整備し、持続可能な社会インフラの実現に挑む日立のシステムエンジニア(以下、SE)の須田康介さんと吉田遼さんに、その具体的な取り組みと熱い想いを伺いました。

空から支える社会インフラ──ドローン×AIによるDXの革新

社会インフラ保守におけるドローン活用について教えてください。

須田康介(日立製作所 デジタルシステム&サービス 公共システム事業部 パブリックセーフティ推進本部)

須田
日本の電力インフラは、現場作業員の方々による地道な業務によって支えられています。中でも送電網の点検は、私たちの暮らしに欠かせない安定した電力供給を守るうえで、重要な役割を担っています。送電網の点検は、高所や山間部での目視点検が中心となっており、作業員の負担や安全面でのリスクをともなう作業です。さらに近年では、少子高齢化による労働人口の減少や設備の老朽化も進んでおり、これまでのように人の経験や目視に頼った点検を、同じやり方のまま続けていくことが難しくなってきました。今のやり方のままでは、点検品質や作業安全を将来にわたって確保し続けることができないという点が、大きな課題となっています。

こうした背景を踏まえ、私たちはドローン・ロボットとAIを活用した社会インフラ保全のDXをすすめる事業開発に取り組んでいます。ドローンで取得した画像や映像データをAIが解析し、異常個所を自動的に抽出することで、業務効率の向上と安全性向上を図っています。

ドローンやAI技術を活用した社会インフラDXを推進しているとのことですが、具体的にどのような価値を提供するのか教えてください。

須田
例えば私たちは、ドローンの活用を送電設備の点検と、災害対応の分野で電力・鉄道など社会インフラを空から支える新たな価値創出と社会実装に取り組んでいます。社会に許容され実装するめには、ドローンを日常的かつ安全・継続的に運用できる仕組みと技術の構築が不可欠だと考えています。

こうした視点から、送電事業者のみなさまと協力して「グリッドスカイウェイ有限事業責任組合」を立ち上げました。本組合は送電線上空を全国共通のドローン航路として整備する「ドローン航路プラットフォーム」で、運用ルール、自動飛行システム、運航管理プラットフォームを一体的に提供し、点検・巡視から災害対応など多様な用途を支えます。

さらに日立ではドローンでデータ収集をするのみでなく、画像解析AI「マルチモーダル深層学習基盤(MMDL)」(以下、MMDL)を活用することで、大量に収集したデータの分析を行い、本当に必要な情報を的確に分析する検証をすすめています。我々はこのドローンのデータ収集とAIでのデータ分析を組み合わせた価値を提供する事業を創っていきます。

画像解析AIで現場の判断を支援──「マルチモーダル深層学習基盤(MMDL)」がもたらす革新

現場を支える画像解析AI「MMDL」とは、どのような技術で、どのような価値を提供しているのでしょうか。

吉田遼(日立製作所 デジタルシステム&サービス 公共システム事業部 官公ソリューション第一本部)

吉田
労働人口減少や熟練技術者の不足が進む中、インフラ点検や製造現場では、業務の在り方を改めて考える必要性が高まっています。これまで多くの現場では、経験豊富な作業員の目や勘に頼った判断が行われてきました、その属人性はヒューマンエラーの発生や技術継承の難しさといった課題を抱えています。

こうした課題に対する有効なアプローチとして活用されているのが、MMDLです。MMDLは、画像AIに関するさまざまな機能を集約したAI基盤製品であり、現場における人の判断を支援することで、品質と生産性の向上を実現します。

MMDLの大きな特長の一つは、画像分類や異常検知などの機能をAPI*1を通じて手軽に利用できる点です。これにより、既存の業務システムを大きく変更することなく、スムーズにAIを組み込むことが可能になります。さらに操作しやすいGUI*2を備えているためお客さま自身がAIモデルを構築できる点もMMDLの強みです。専門的なAI知識がなくても操作できるため、心理的・技術的ハードルを大きく下げることができます。過去の点検画像や調査結果データを学習させることで、設備や業務内容に最適なオリジナルのAIモデルを短期間で構築でき、損傷個所やその度合いの特定、レポート化、データ蓄積までを一貫して支援できます。

MMDLは、現場の「人の目」とAIが協働することで、判断の精度と再現性を高め、より安全で効率的な業務運営を支える技術となっています。

*1 異なるソフトウェアやシステム間で機能やデータを連携させるための仕組み・インターフェース
*2 アイコンやボタン、メニューなどの視覚的要素を用いて、直感的に操作できるユーザーインターフェース

具体的には、どのような現場で活用されているのでしょうか。

吉田
代表的な事例の一つが、日立の社内工場における検査支援です。溶接された部品に異常が無いかを、AIが画像解析によって判定します。従来は目視検査が中心であったため、作業者の経験に左右され、見逃しが発生するリスクがありました。MMDLの導入は、それらの見逃しリスクを低下させ、検査品質の安定化に貢献します。

また、橋梁や高速道路の高架下、学校施設の壁面など、インフラ保守・点検の現場でも活用が広がっています。高所作業をともなう点検では、ドローンで撮影した画像をMMDLで解析することで、人の目では見逃されがちな数ミリ単位のひび割れなどの異常を検知することが可能です。作業員の安全確保と点検精度の向上を両立できる点も、大きな価値といえます。

今後は、ドローンをはじめとした他の技術との連携をさらに進め、製造現場やインフラ保守の分野において、より安全で持続可能な運用の実現に貢献していきたいと考えています。

技術をつなぎ、社会実装まで導く──日立ならではの強み

須田
日立には、幅広い業界での経験を持つ多様な人財が集まっています。中でもSE職では、技術開発だけでなく、事業開発の最前線でビジネスデベロップメントにも関わることができます。社内のみでなく他社との連携も積極的に実施しており、ソフトバンク株式会社さまとはさまざまなユースケースに活用できるドローンサービスの立ち上げをすすめています。「技術」と「ビジネス」の両面に携わることで、現場の課題がどのように価値に変わるか、どのようにビジネスとして成立させるのかを実感でき、自ら関わった仕組みが社会で使われる過程を間近で見届けられる──これがSE職ならではの大きなやりがいであり面白さだと感じています。

日立は、デジタルの力を活用し、地球環境、人々の幸福、経済成長が調和する、ハーモナイズドソサエティの実現をめざしています。須田さんと吉田さんは、デジタルの力でどんな未来をめざしていますか。

須田
日本の社会インフラの多くは高度成長期に整備され、50年以上経った設備が、いまも私たちの暮らしを支えています。それを守る保守・点検の現場は、社会を支えるうえで欠かせない存在ですが、デジタル化が進んでおらず、DXによりさらなる効率化や安全性の向上が見込めます。

デジタル技術を活用することで、これまで見えなかった設備劣化の兆しを可視化し、故障を未然に防ぐことが可能になります。また、人が時間をかけて行ってきた作業を省人化することで、安全性と生産性を高めることができます。

AIは人の判断を置き換えるのではなく、現場の判断を支えるパートナーとして寄り添い、人と協働しながら価値を発揮するものだと考えています。現場に浸透させるには時間と信頼の積み重ねが欠かせませんが、まずは価値を示すことが事業開発の第一歩だと思っています。

吉田
私がめざすのは、安全で安心して暮らせる社会です。日立の強みは、ドローンやロボット、AIなどの技術を組み合わせ、トータルソリューションとして提供できる体制、「One Hitachi」にあります。これにより、現場での課題を短期間で社会実装まで導くことができる点が、私たちの大きな価値です。

もちろん、一人でできることは限られますが、まず目の前のお客さま課題を確実に解決し、価値を実感してもらう。その積み重ねが、社会全体の暮らしを支える力になると信じています。

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