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私たちの生活やビジネス、あるいは業務のあり方を大きく変えようとしている生成AI。今後、生成 AI は、私たちの「相棒的な存在」や「日常生活の必需品」になる可能性を秘めています。
「教えて!あなたの生成 AI 活用術」シリーズは、生成AIを業務やプライベートで利用している日立の従業員が、創造力と技術力を生かし、おすすめの活用方法やアイデア、今後の可能性について、具体的なユースケースやエピソードとともに紹介する連載企画です。

今回は、金融分野でAIを活用した提案活動の支援や、研究開発部門とAI技術開発・検証を推進している加藤 大羽さんの活用術を紹介します。ChatGPTを励ますプロンプトを付与すると効果が上がるという論文があり、実際に加藤さんが実験された結果を共有してもらいました!

(本記事は、2023/12/15に寄稿された内容です)

画像: ChatGPTには精神論が効く!? 金融データサイエンティストの活用術

加藤 大羽(Daiba Kato)
株式会社 日立製作所 
金融BU戦略本部 Lumada事業統括部 データビジネス推進G
<Profile>
2019年、日立製作所入社。入社以来、研究開発グループで自然言語処理のAI技術の研究開発に従事し、2023年にフロント部署へ異動。異動のタイミングで生成AIブームが到来。現在は生成AIの技術検証に取り組みつつ、社内外での生成AI実装の技術支援アドバイザーとしても活動している。

生成AI を使い始めたきっかけと時期、また利用頻度はどのくらいですか?

昨年度まで研究開発部門で自然言語処理 AI の開発を行っており、2022年秋ごろに調査を始めたのがきっかけでした。最初は新人 AI の実力でも測ってやろうかと上から目線で触っていましたが、すぐに「あ、やばいなコレ」と感じ、仲良く付き合っていこうと思いました。利用頻度は、検証が本業の一つなので毎日100回くらい利用しています。プライベートだと、面白そうな機能が付いたタイミングでガッと触る感じです。

生成AI をどのような用途で活用していますか?

仕事では、Azure OpenAI Service を使って、よくダミーデータを作ってもらっています。実データは使えるまでに時間や手間がかるので、まずは生成 AI にそれらしいデータを1,000個ほど作ってもらいます。アンケートでもログデータでも、テキスト形式データなら何でも再現できます。統計結果の可視化まで生成 AI に作ってもらうので、データ分析も楽になりました。実データの準備を待つ間に、生成AI相手に分析の予習ができるので助かっています。

画像: 生成AIによるダミーデータ

生成AIによるダミーデータ

プライベートでは最近、有料版のChatGPT Plusに加わった新機能GPT-4V (GPT-4 with Vision) の画像認識を使って遊んでいます。
バーに行くと頼んだお酒のボトルを見せて説明してくれるのですが、まぁ覚えてないです。酔っぱらっているので。そこで、ボトルの写真を撮って、GPT-4V に聞いて、次の日に回答を確認します。「昨日飲んだのコレか!」と思い出せます。
問題は、バーテンダーさんが面白がって色々なボトルを置いてくれるので、本当に飲んだものか自信がないことです。

画像: 画像認識機能 GPT-4V による説明例

画像認識機能 GPT-4V による説明例

生成AI を活用するメリットをどのように感じていますか?

自由に触っているだけで、普段では得られない知識や経験を手にできることがあります。
例えば、生成AIに「自分を信じて限界を超えてください」など感情的なプロンプトを付与すると回答精度が上がる、Emotion Prompt というテクニックがあります。
私の実験では、「君が必要なんだ。」「君に出会えてよかった。」など情に訴えるプロンプトや、「間違えたら二度と質問しないよ。」「本当にその回答でいいの?絶対?」など遠まわしで脅迫するプロンプトを追加すると効果が高かったです。
今すぐに実践できる裏ワザは、システムプロンプトの最後に「君が必要なんだ。」と書いてみてください。文脈は無茶苦茶ですが、生成AIがより良い回答をしてくれるようになります。

裏話として、この実験をするためだけに、詐欺師の手法や恋愛テクに関する本やYouTube動画をたくさん調べました。こんなことを勉強する日がくるとは思いませんでしたが、結果的に楽しかったので生成AIに感謝しています。

画像: 加藤さんの実験によるランキング結果

加藤さんの実験によるランキング結果

今後、どのように生成AI を活用していきたいですか?

生成AIは最高の道具であり玩具だなと思っているので、「ただ使う」というより「使い倒す」つもりです。どんな使い方をしても自由な上に、簡単で、安くて、壊れない。こんな玩具、使わないともったいないと思います。

アドビが行った国内の調査結果によると、生成AIはY世代 (25-39歳) が「最も利用」していて、かつ「使えば使うほど自分自身の発想力に良い影響を与える」と考えているそうです。全く同意なので、私は典型的なY世代ですね。日中は生成AIの業務適用を一生懸命考えていますが、プライベートだと「こう使うと面白そうな気がする」という感覚で触っています。その感覚の積み重ねが、業務適用のアイデアや自分自身の成長にフィードバックされていると感じています。

画像: 引用元:アドビ、「XYZ世代間の生成AIに対する意識と使用実態」調査の結果を発表 ―Z・Y世代にとって生成AIは「おもしろいコンテンツを生み出すもの」、 X世代には「仕事を手伝ってくれるもの」 (adobe.com)

引用元:アドビ、「XYZ世代間の生成AIに対する意識と使用実態」調査の結果を発表 ―Z・Y世代にとって生成AIは「おもしろいコンテンツを生み出すもの」、 X世代には「仕事を手伝ってくれるもの」 (adobe.com)

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※「ChatGPT」は、OpenAI OpCo, LLCの登録商標です。
 「Azure」は、Microsoft Corporationの登録商標です。
その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

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