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三菱HCキャピタルは、日立製作所のGenerative AIセンター*1と協働で、3月4日より、三菱HCキャピタル本体の約2,200名の従業員を対象に、生成AIの本格利用(以下、本プロジェクト)を開始した。
本プロジェクトは、三菱HCキャピタルにおける、営業事務をはじめとするさまざまな業務への生成AIの適用により、その生産性の向上、ひいては成長の加速を図るものである。今回の運用開始にあたり、日立が生成AIのスペシャリストを集結したGenerative AIセンターが有するノウハウやユースケースなどのナレッジを三菱HCキャピタルに提供するとともに、両社でAzure OpenAI Service*2を活用したセキュアな生成AIの社内利用環境の整備や試行評価、ガイドライン作成などに取り組んだ。また、ユースケースの具体化や社内情報を取り込んだ知識データベースの構築、社内外システムなどとの連携も視野に、中長期的なロードマップの策定など、導入効果の創出に向けた計画・立案を共同で進めてきた。
三菱HCキャピタルは、本プロジェクトの推進をもって、従業員による生成AIの利用促進に加え、段階的に入力可能なデータの範囲、量を拡大し、社内データと組み合わせた業務ナレッジを強化することで、営業事務や審査業務、ヘルプデスク業務などにおける自動化、効率化を図る。さらに、社外サービスの情報を含めたシステムなどとの連携を促進することで、業務の効率化や新事業創出といった生成AIによるバリューアップ(価値向上)をめざす。
*1: 日立製作所ニュースリリース(2023年5月15日発表)「新組織「Generative AIセンター」により、生成AIの社内外での利活用を推進し、Lumada事業での価値創出の加速と生産性向上を実現」
*2: マイクロソフト社のMicrosoft Azureのクラウドプラットフォーム上でOpenAI社のAIが利用できるサービス。

本プロジェクトの背景

2022年11月に米国のOpenAI社がChatGPTを公開以降、加速度的に進化を遂げる生成AIは大きなパラダイムシフトをもたらし、生産性向上などの観点から、さまざまな業種や分野でビジネス活用に向けた取り組みが始まっている。
一方で、生成AIのビジネス活用の実現にあたっては、セキュリティやプライバシー、回答精度などに課題がある。加えて、企業のなかで生成AIを普及させるためには、利用環境の整備だけではなく、生成AIを適用した業務別のシステムの作り込みなど、より多くの人が容易に利用できるベースづくりが重要である。

三菱HCキャピタルは、「10年後のありたい姿」に「未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター」を掲げ、その実現に向けて、デジタル技術の活用などによる「SX: Sustainability Transformation / DX: Digital Transformation」、ならびに最適なポートフォリオの実現をめざす「事業ポートフォリオ変革」を有機的に融合することで、「CX: Corporate Transformation(全社的変革)」を推進している。本プロジェクトは、DXを通じたCXの実現に向けた重要な施策の一つである。
日立は、2023年5月にGenerative AIセンターを設立し、日立グループのさまざまな業務で生成AIの利用を推進しながら、生産性向上につながるノウハウの蓄積やユースケースの創出に取り組んでいる。また、生成AIの利用を検討されるお客さまに対して、AIの活用に関する知見やセキュリティ・知的財産などの専門知識を組み合わせ、生成AIによる価値創出をトータルで支援している。
このような背景のもと、三菱HCキャピタルは、金融機関における機密性の高い環境構築の実績に加え、AI倫理・プライバシー保護に基づいた利用ガイドラインや先進的なユースケースなど、生成AIを安全かつ効果的に社内で普及させるためのノウハウを有する日立をパートナーに、全従業員への展開に向けたプロジェクトに取り組んできた。

本プロジェクトの実施内容

1. 利用環境の整備やガイドライン作成など、生成AI活用の普及に向けた取り組み
両社は、2023年10月に本プロジェクトを開始し、三菱HCキャピタル本体における生成AIの普及に向けて、利用環境やガイドラインの整備を進めてきた。具体的には、生成AIによる効果検証を速やかに行うため、必要最小限の構成で標準的な機能の試行環境を構築し、2024年1月以降、社内の特定のユーザーでその機能の試行評価を実施した。その後、そこで得られたフィードバックをもとに、リソースを拡張するとともに、Azure OpenAI Serviceを活用した生成AIの利用環境を構築し、このたび、三菱HCキャピタル本体における運用を開始したものである。
また、より安全かつ効果的な生成AI活用を展開するため、日立が社内で運用する利用ガイドラインの知見やノウハウも活用し、三菱HCキャピタル本体の社内規定、法的要件などを踏まえた利用ガイドラインを作成している。

2. ユースケースの具体化など、生成AI活用によるバリューアップに向けた取り組み
両社は、2023年10月の本プロジェクト開始以降、環境整備と並行して、生成AI活用による価値創出の最大化に向けた中長期的なロードマップを検討してきた。具体的には、生成AIの活用ニーズに関するヒアリングを行い、全業務共通の文章要約、ドキュメントのアウトライン作成補助、外国語の翻訳のほか、各業務領域におけるヘルプデスク対応、さらには、営業・審査部門の与信関連業務支援などの個別業務に特化したユースケースを具体化し、ケースごとの期待効果や入力データ、実現難度などを踏まえ、優先的に取り組むべき対象を整理した。
三菱HCキャピタルは、日立との協働により、対象となるユースケースの業務データを取り込み、ナレッジを強化した知識データベースを構築する。そのうえで、マニュアルなどの社内文書を踏まえた要約作成、社内データ検索を容易にすることで、営業事務や審査業務などさまざまな業務の効率化を図る。将来的には、API連携*3による社外サービスの情報も含めたデータ取得を可能とする、業務間連携の強化をめざす。
*3 API連携 : アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)の略。アプリケーションやシステム間でデータを連携し、利用できる機能を拡張すること。

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