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 日立製作所は 、NVIDIAと協業し、日立のエネルギー、モビリティ、コネクテッドシステムといった OT(制御・運用技術)領域でのリーダーシップおよびデジタルソリューションと、NVIDIA の生成 AI に関するノウハウを組み合わせることで、DX による社会イノベーションを加速することを発表した。
 生成 AI は、顧客体験を再定義し、組織の効率性を飛躍的に向上させるなど企業および消費者に 多大なインパクトを与え、DX の新たな波をもたらした。
 今回の協業により、このような生成 AI のケイパビリティをエネルギーやモビリティ、産業など OT 領域へと拡大する。OT 領域においてセンサーやデバイス、機器・設備から生成される膨大なデータを取り込み、生成 AI を適用することで、パフォーマンスを効率化し、洞察(インサイト)を深め、これまでは不可能であったアクションを自動化することができるようになる。
 日立は NVIDIA と連携しながら、エグゼクティブリーダーシップチームの選出および CoE(Center of Excellence)の設立を行い、戦略的なマイルストーンに沿って、日立の OT 領域でのドメインナレッジをNVIDIA の高度な AI ソフトウェアや GPU 技術と融合した業種向けソリューションを開発・展開する。
 また、日立は、CUDA™、NVIDIA AI Enterprise、Omniverse™、Modulus などの NVIDIA ソフトウェア プラットフォームに関するエンジニアの育成強化に投資していく。これらの取り組みにより、社会に価値を生み出す新たなイノベーションを起こしていく。

背景

 生成 AI は、タスク自動化や効率性の向上、製品やサービスの強化など組織のパフォーマンスを向上させるめざましい成果により、業界・業務を問わず幅広く適用が進み、現在、イノベーションや企業成長には欠かせない重要な技術となった。
 NVIDIA アクセラレーテッド コンピューティング プラットフォームは、大規模な言語モデルとクリエイティブな生成をサポートし、AI ソフトウェアとシミュレーションにおける高度な技術力は、エネルギーから創薬、製造まで、あらゆる業界のイノベーションに貢献している。
 一方、全世界で約 32 万人*1 の従業員を擁する日立は、IT、OT、プロダクトを強みとし、エネルギー、モビリティ、製造業など幅広い分野に先進的なソリューションを提供するリーディングカンパニーです。2023 年 5月に Generative AI センター*2 を設立し、生成 AI の安全・有効な社内外での利活用を推進してきた。
生成 AI を活用した数多くのユースケースで効率性と生産性の向上を推進し、国内外で 100 件以上のプロジェクトを獲得し、課題解決やイノベーションの創出を支援している。さらに、AI トランスフォーメーションを加速するために、NVIDIA アクセラレーテッド コンピューティング プラットフォーム上で動作する環境を構築・導入した。今後、日立のドメインナレッジやアプリケーション開発の強みを取り入れた生成 AI 共通基盤として段階的に強化していく。
 日立の執行役副社長 兼 デジタルシステム&サービス統括本部長の德永 俊昭は、「日立は創業以来、『優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する』という企業理念のもと、お客さまや社会が抱える課題の解決に取り組んできました。今回、NVIDIA との先進的なコラボレーションを通じて、日立がミッションクリティカルな分野で培ってきた深いドメインナレッジと NVIDIA の生成 AI ソリューション群を組み合わせることで、複雑な現実世界の課題を解決し、画期的な成果をもたらす社会イノベーションを加速することができると期待しています。」と述べている。
また、NVIDIA の Worldwide Field Operations で Executive Vice President である Jay Puri(ジェイ
プリ)氏は、「企業は、生産性、効率性、自動化のニーズに対応するために、生成 AI の最新かつベストなツールを求めています。日立と NVIDIA の技術を組み合わせることで、企業は、インダストリアリゼーション(産業構造の変化)の限界を越え、DX の次の波へと進んでいくことができます。」と述べている。

協業内容について

1.NVIDIA Omniverse とドメインナレッジによる次世代デジタルツイン環境の開発・活用
 日立は、従来の枠を超えた壮大なプロジェクトのビジョンを策定した。具体的には、OpenUSD アプリケーションを接続および開発するためのプラットフォームである NVIDIA Omniverse と、Physics-ML(物理に基づいた機械学習)モデルの構築やトレーニング、ファインチューニングのためのフレームワーク NVIDIA Modulus を活用することで、デジタルツイン環境で、エネルギーやモビリティなどミッションクリティカルな日立のさまざまなアセットやプロセスをシミュレーションし、最適化することが可能になる。そして、その結果を現実の世界に反映させることで、グリーンエネルギーへの移行加速やヘルスケアでの新たなイノベーションの実現、交通システムの安全性の向上など、大規模なソリューションを共同で開発し、その有効性を検証・改善することが可能になる。

2.Lumada AI ソリューションと NVIDIA AI Enterprise の統合
 日立がさまざまな業界で価値創出の実績を積み上げてきた Lumada の AI ソリューションのライブラリと、NVIDIA AI Enterprise や Modulus のプラットフォームを統合していく。日立のデザイン・デジタルエンジニアリングのケイパビリティを活用したこれらのソリューションは、モビリティやエネルギー、製造業、金融などのさまざまな業種のお客さまがイノベーションを加速し、オファリングの強化やインテリジェントな AI ソリューションを創出することを可能にする。

3.NVIDIA DGX BasePOD 認証適合の新 AI ソリューション「Hitachi IQ」提供
 今回の協業により、日立の米国子会社である Hitachi Vantara は、NVIDIA DGX BasePOD™認証を
取得した「Hitachi iQ」ポートフォリオの第一弾製品を発表し、NVIDIA DGX インフラストラクチャと高信頼性ストレージ上に構築された認証済みの統合ソリューションを提供する。そして、複数のコンサンプションモデルにより、お客さまが必要なものだけを利用できる仕組みを提供し、オンプレミスのパフォーマンスや投資収益率(ROI)の向上を可能にする。
 今後、「Hitachi iQ」は、NVIDIA H100 を搭載したハイエンドの NVIDIA HGX 製品と NVIDIA H100Tensor コア GPU と L40S GPU で構成される PCI-E ベースのミッドレンジ製品などラインアップを強化していくとともに、これらの GPU 製品を補完するものとして、エンタープライズグレードの AI ツールとフレームワークからなるソフトウェアプラットフォームである NVIDIA AI Enterprise も提供していく。
 さらに、Hitachi Vantara は、ファイルストレージ技術「Hitachi Content Software for File」 を活用した第 5 世代ベースの新しい高速ストレージノードを提供する予定であり、複雑な AI ワークロードに対応する非常に高速なストレージソリューションの提供が可能になる。Hitachi Vantara は、「Hitachi iQ」ポートフォリオを 2024 年度第 1 四半期に提供開始する予定である。
日立は、これらの NVIDIA との協業を通じて、社会により良いインパクトを与え、サステナブルな社会の実現に貢献していく。
*1 2023 年 3 月末時点。2023 年 12 月末時点では約 26 万人
*2 日立ニュースリリース「新組織「Generative AI センター」により、生成 AI の社内外での利活用を推進し、Lumada 事業での価値創出の加速と生産性向上を実現」

関連サイト

日立
 生成AI

NVIDIA
 NVIDIA AI Enterprise
 Omniverse™
 Modulus
 NVIDIA DGX BasePOD
 NVIDIA DGX
 L40S GPUs

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