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2024年3月18日~21日に、アメリカ・サンノゼにてNVIDIA主催のイベントGTCが開催されました!世界中の名だたるIT企業が集結するAIの祭典に、Hitachi Vantaraが講演とブース出展で参加しています。そんな熱気あふれるGTCの現地の模様と、Hitachi Vantaraの出展内容についてレポートします

GTCとは?

今年で15年目を迎える GTCは、「GPU Technology Conference」の略で、最新のAIやロボティクスをテーマとした、NVIDIAが主催するイベントです。シリコンバレーの中心地サンノゼにて行われ、コロナ禍の影響もあり、今回は5年ぶりのリアル開催となりました。(オンライン参加も可)基調講演は、NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン氏により行われ、毎年新たな技術や、企業との提携が発表されることで注目を集めています。さらに、世界中の技術者、業界のリーダー、イノベーターがこのイベントに参加し、900 を超えるセッション(講演)と、300近くの展示、20以上の技術者向けワークショップや、参加者同士のネットワーキングイベント等が行われます。

基調講演について

NVIDIAの発表によると、基調講演に現地参加したのはなんと約11,000人。会場は講演開始の1時間前からほぼ満員で、参加者の講演への大きな期待が感じられます。会場であるSAPセンターは、コンサートやスポーツイベントでも使用され、最大で約2万人が収容可能な巨大なイベント会場です。大きなスクリーンに映し出されているのは、リアルタイムでAIが生成するグラフィックアート。講演開始までの待ち時間も、AIを駆使して観衆の目を楽しませる、なんともNVIDIAらしい演出です。

画像: 基調講演について

会場が暗転すると、壮大な音楽と共にオープニング映像が始まり、映像の終盤には、この映像の台本を書いたのも、そして壮大な音楽を作曲したのもAIだということが明かされます。そして、お待ちかねのNVIDIA CEOのジェンスン フアン氏の登場です。参加者は大きな歓声と拍手で迎え、まるでロックスターのコンサートのよう。ジェンスン氏も開口一番、「今皆さんが参加しているGTCはコンサートではなく、技術者のためのカンファレンスですよ。」とジョークを飛ばし、SAPセンターは大きな笑いに包まれていました。
注目の発表は、新GPUアーキテクチャの「Blackwell」こと、NVIDIA B200 Tensor Core GPU。これは、2022年にNVIDIAが発表した、「Hopper」こと、NVIDIA H100 Tensor Core GPUの後継製品であり、AI時代において世界中で需要が高騰しているGPUの性能向上に、NVIDIAがいち早く応えた形になっています。

画像: 写真:基調講演にて、新たに発表したBlackwellを披露するジェンスン フアン氏 nvidianews.nvidia.com

写真:基調講演にて、新たに発表したBlackwellを披露するジェンスン フアン氏

nvidianews.nvidia.com

また、生成AIの登場で、今やソフトウェアが自らソフトウェアを作る時代になっており、今までに現れていないまったく新しいソフトウェアが日夜生まれています。この新たなAI時代の到来を、「まるで産業革命のようだ」とジェンスン氏は例えます。工場を作り、電気の力を使って機械を動かして生産性を何倍も向上させたように、今の時代はAIを使って生産性を向上させているからです。
さらに、3D ワークフローとアプリケーションを開発できるコンピューティングプラットフォームであるNVIDIAのOmniverseは、デジタルツインの構築や高速な3D作品の制作などの用途で活用されていますが、この技術を用いて、ジェンスン氏が発表したのが「Earth2」。これは地球自体をデジタルツインで再現する試みであり、これにより、特定の地域の天候を正確に予測でき、そうすることで人的被害が起こる前に人々を危険から守ることができるかもしれないと語っています。また、ヘルスケアの領域でもAIを活用した取り組みが進んでおり、これまで医薬品を開発する際、数多くのサーバーを用いて数日かけていた工程(バーチャルスクリーニング)が、NVIDIAのAIを活用することでわずか数分となり、医薬品の開発までの時間を大幅に短縮することができると言われています。
今回、ご紹介した上記はほんの一部であり、この他にもこのAI時代の先頭を走るNVIDIAならではの技術や取り組みが数多く紹介されています。本基調講演はYouTubeにて、日本語字幕付きで見られますので、是非実際に視聴してみてください。 
映像URL(YouTube)⇒ https://www.youtube.com/watch?v=Y2F8yisiS6E

展示会場の様子

会場をSAPセンターから移し、サンノゼ・コンベンションセンターの展示会場の様子をレポートします。会場は、大きく「Gen AI(生成AI)」や「Automotive(自動運転)」、「Robotics(ロボティクス)」などの主要テーマごとに仕切られており、出展企業はそれぞれAIを活用した最新デモや、製品を展示しています。展示会場は連日大盛況で、歩き回るのも苦労するほど。AIに対する市場の関心の高まりを肌で感じることができました。現在、多くの企業がAIを活用した新たなビジネスを模索していますが、高度な計算に用いられるNVIDIAのGPUは非常に高価で入手困難。AIを活用したい企業は多いですが、自前でGPUを揃えたシステムを組むのには骨が折れます。そのため出展企業の中には、自社で仕入れたGPUを、ユーザーがクラウドで活用して、AIの恩恵を受けられるようにするサービス型のビジネスモデルも多く見受けられました。

画像: GTCの展示会場の様子

GTCの展示会場の様子

また、企業の出展ブースで特に人気を集めていたのは、参加者がAIとインタラクティブ(双方向)に交流できるものでした。例えば、カメラから取得した映像データを、リアルタイムで分析し、コメントしてくれるというもの。更に、その場でコーヒーを淹れるロボットや、Tシャツを刷ってくれるロボットにも人だかりができており、各企業、ただブースを構えるだけでなく、さまざまな工夫を凝らして参加者を呼び込んでいたのが印象的です。
また、余談ですが、面白かったのは17時以降になるとハッピーアワータイムに突入し、お酒やおつまみが提供されること。お酒を飲みながら商談をしている方も多く、会場にはビアガーデンコーナーもありました。参加者とブースの距離が縮まる上、参加者同士でのつながりも生まれやすいというメリットを感じました。

Hitachi Vantaraの出展内容

画像: Hitachi Vantaraの出展ブースの様子

Hitachi Vantaraの出展ブースの様子

Hitachi Vantaraはブースにて、NVIDIAと協業し開発することを発表したAIソリューションポートフォリオ、「Hitachi iQ」の紹介動画や、リアルタイムで参加者との対話が可能なAIアバター、「IRIS(Intelligent Response Information Specialist)」を展示しました。ブースには常に人だかりができており、参加者は特にHitachi iQへの関心が高かったようで、展示担当者は多くの質問に時間いっぱいまで答えていました。また、AIアバターIRISも人気で、参加者は「Hitachi Vantaraってどんな会社?」や、「GTCを楽しんでいますか?」といった質問を投げかけ、IRISとの会話を楽しんでいました。数多くの参加者がHitachi VantaraのAIのケイパビリティを体感しており、Hitachi VantaraはGTC初参加ですが、非常に大きな存在感を発揮していました。

画像: IRISの姿。裏話ですが、IRISの開発にはたった4週間しかかかっておらず、GTCの展示会場でHitachi VantaraのAIケイパビリティを分かりやすく参加者へ伝えるために開発されたそうです。 www.hitachivantara.com

IRISの姿。裏話ですが、IRISの開発にはたった4週間しかかかっておらず、GTCの展示会場でHitachi VantaraのAIケイパビリティを分かりやすく参加者へ伝えるために開発されたそうです。

www.hitachivantara.com

日立とNVIDIAの協業に関するニュースリリースはこちらからご覧ください。
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2024/03/0319.html
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2024/03/0319d.html

Hitachi Vantaraの講演内容

Hitachi Vantaraは展示ブースだけでなく、GTCのオンライン参加者数万人に向け、オンデマンド視聴できる講演を行いました。その1つが、CTO(Chief Technology Officer)であるJason Hardy氏による”Evolving AI With Hitachi”(日立と進化するAI)です。講演内容は主に、生成AIによりAIが民主化され、多くの企業が活用を始めている中、Hitachi Vantaraは企業やパートナーにどのようにAIで価値を届けられるか?について語っています。企業が取り組むAIプロジェクトの8割は失敗に終わっている現状を示しつつ、Hitachi Vantaraは、企業やパートナーがAIを活用する際に必要となる、データの保管から、Pentahoを活用したデータの管理・可視化、そしてデータを元にしたAI活用による新しいビジネスの創出まで、データ活用のプロフェッショナルとして伴走できると語っています。AIをどう活用すれば最大限の価値を生み出せるのか?といった企業の質問に、Hitachi Vantaraは答えることができると語りました。さまざまな企業をサポートできるその根拠として、日立が鉄道事業を有していたり、パワーグリッド事業を行っていたり、MRIを製造していたりと、幅広い事業領域で積み重ねてきたOTの知見とノウハウを持っているからであり、それこそがHitachi Vantara、そして日立のユニークなポイントだとアピールしました。

おわりに

GTCは、企業のAIを駆使した最新の取り組みを学べたり、技術者はAI関係のトレーニングを受けられたりと、まさにAIの祭典でした。世界の企業は、AIの活用による新たなビジネスを生み出したり、業務を効率化したりといった動きがさらに活発になっており、また基調講演で更に高性能なGPUが発表になったことからも、この流れは一時的なブームではなく、今後も止まることなく加速していくことを実感しました。CTOのJason氏が言及されていたように、AIと日立のOTのノウハウの組み合わせはユニークで、多くの可能性があります。Hitachi Vantaraがどのように企業をサポートして、新たな価値を提供していくのか、今後の活動から目が離せません。
以上、現地のシリコンバレーからGTC、そしてHitachi Vantaraの参加についてのレポートをお届けしました。少しでもGTCの雰囲気や、参加者のAIへの期待、熱気が伝われば幸いです。

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