グローバルメジャーへの成長戦略
SCMの変革を担う自律的人材の育成とは?
世界市場で勝つにはSCM(サプライチェーンマネジメント)人材が不可欠である。多くの企業がこの課題を認識しているが、育成には手をこまねいている。SCMとは、サプライチェーンをエンドトゥエンドで俯瞰し、全体最適を図り、競争優位を生み出す戦略的な取り組み・概念である。
しかし、現場とその意向を尊重し、現場主導のOJTを通じた人材育成が一般的な日本では、SCMの本来の考え方が浸透しにくい。背景には、世界標準のSCMの知見を網羅的且つ体系的に提供する教育機関が、国内では限られていることも一つの要因だろう。
そうした中、SCM教育のグローバル・スタンダードとして認められているのが、ASCM(Association for Supply Chain Management)が提供するAPICSだ。ASCMはSCM領域の世界最大の団体で、資格認定も行っている。このAPICSに準拠した教育プログラムを提供しているのが日立ソリューションズ東日本の「SCM教育サービス」である。
パワー半導体とアナログICで世界市場を目指すローム株式会社(以下、ローム)様は、SCM本部を立ち上げ、若手精鋭4人に「SCM教育サービス」を受講させた。ほぼ半年間にわたる研修で、同社はグローバルメジャーへの戦略構築の手応えをつかんでいる。