グランドデザインの実現に向けた取り組みの第一弾として、「次世代モビリティ」の実証を開始
日立市と日立製作所、次世代未来都市(スマートシティ)の実現にむけた共創プロジェクト*1で推進するテーマの一つ「公共交通のスマート化」において、2035 年の「日立市の公共交通の将来像」として、グランドデザインを描いた。
グランドデザインは、日立市における交通のさまざまな課題解決だけでなく、交通や移動の活性化によるまちの賑わいの創出に向けて、「多様な移動手段を組み合わせた誰もが移動しやすいまち」をめざしたものだ。グランドデザインを描くにあたり、自動運転の進化やライドシェアの緩和・解禁など大きな社会潮流や技術発展、日立市の地域公共交通計画などを踏まえながら、市民視点にたったワークショップを継続的に行った。その中で、2035 年の理想的な未来のビジョンをイメージしたうえで、そこから振り返り、次世代モビリティや統合アプリの導入など「利用シーン」や「移動サービス」を具体化してきた。さらに、より良いビジョンへとブラッシュアップするため、日立市の交通事業者や有識者の意見を取り込んだ。
今後、共創プロジェクトのウェブサイトやイベントなどでグランドデザインを公開することで、幅広くステークホルダーの意見やアイデアを収集し、市民参加型でともに考え、今後の共創プロジェクトの施策検討に生かしていく。また、グランドデザイン実現に向けた取り組みの第一弾として、 自動運転車両などの次世代モビリティ実証実験を日立市内で開始する。具体的には、12月7日、8日に日立駅前新都市広場周辺で、高齢者向けや通勤者向けの新たな移動手段の導入可能性を検討する実証を行う。実証を通じて、次世代モビリティの有効性や課題を検証し、市民の想いも取り込みながら社会実装に向けた解決策や今後の交通施策に生かしていく。
日立市と日立製作所は、公共交通のみならずグリーン産業都市やデジタル健康・医療・介護など他テーマの取り組みともデジタルを通じて連動し、産学金官のステークホルダーと連携をしながら、エコシステムでのSociety 5.0 の実現をともにめざしていく。
*1 日立ニュースリリース:「日立市と日立製作所が、デジタルを活用した"次世代未来都市(スマートシティ)の実現にむけた共創プロジェクト"に関する包括連携協定を締結」(2023 年 12 月 21 日)
グランドデザインについて
グランドデザイン*2では、多様な公共交通の経路を検索する統合アプリの導入や、自宅から最寄りのモビリティハブ*3までをつなぐ高齢者向け次世代モビリティの導入など、市民の移動が活性化することでまちの賑わいが創出され、歩行者もモビリティ利用者も安全安心に移動することができるシーンが描かれている。また、既存の公共交通と連携した通勤者向け次世代モビリティによる渋滞緩和の様子も描かれている。これらの取り組みの先に、公共交通を利用してどこでも自由に移動ができることで、だれもが心地よく暮らせるまちをめざす。
*2 詳細は下記を参照
*3 路線バスなどの大量輸送交通とタクシー・シェアサイクルなどの多様な交通手段との接続・乗継拠点
グランドデザイン各シーンの施策概要
~2035 年の日立市の公共交通の将来像~
1. オンデマンド型の自動運転カー
各シーンで実現したいこと
小学校の統廃合が進み、通学距離が伸びた児童が、安全に無理なく通える
具体的な実現方法
・自動運転車両を通勤・通学等、朝夕時間帯ではシャトル運用、昼間はオンデマンドで走行
・移動データ(用途、利用者、天気等)の AI 分析等により、最適な車両数やルート等を最適化
2. 最寄りのモビリティハブまでつなぐ高齢者向け次世代モビリティ
各シーンで実現したいこと
高齢者でも安心安全に自宅からの最寄りの交通結節点まで移動が可能
具体的な実現方法
・自宅から交通結節点までの移動が困難な高齢者等の移動弱者を救うモビリティを整備
・一人乗りや乗用車型などに加え、ベンチ型など複数人用モビリティで会話しながら移動可能
3. 車両が使いたい場所まで届くデリバリー型カーシェア
各シーンで実現したいこと
自家用車を持たないことにした家族が好きな時にシェアカーを自宅まで呼べる
具体的な実現方法
・作業者が自宅までシェアカーお届け、利用頻度の低い車両や駐車場等も活用し拠点拡大
・完全自動運転時代には、自動配車サービスを実現し自家用車保有から脱却
4. 多様な公共交通の経路を検索する統合アプリ
各シーンで実現したいこと
公共交通を利用する方が、簡単にドアtoドアの最適なルートを知ることができる
具体的な実現方法
・地域住民に対して、次世代パーソナ ルモビリティ等の拠点情報を提供するアプリ等を提供
・順次、BRT やタクシー、路線バス等の地域内の交通手段の情報を統合し、最適ルート案内
5. 自動運転を活用した移動型店舗
各シーンで実現したいこと
忙しく買い物に行けない方が、必要なものを必要な時に購入することができる
具体的な実現方法
・にぎわい創出に向け特定エリアで、飲食関連の移動型店舗(キッチンカー等)を誘致
・将来的に、自動運転化やサービス多様化(薬販売等)を進めることで、地域の物流を改革
6. ハンズフリーの乗降車&決済
各シーンで実現したいこと
乗換えを面倒に感じる観光者がハンズフリーで快適・ストレスフリーに移動可能
具体的な実現方法
・スマートフォン等を活用し地域交通のキャッシュレス化を支援、交通事業者の DX 化を促進
・将来は統合アプリと連携、複数交通手段をまたがる移動でも、最適料金での後払いを実現
7. 次世代モビリティと共存するウォーカブル空間
各シーンで実現したいこと
日立駅前が更ににぎわい、老若男女誰もがふらっと出かけ、散歩を楽しめる
具体的な実現方法
・特定エリアでの車両走行制限やパーソナル モ ビ リティの整備を推進、人々の動きやすさを促進
・人々が徒歩でもついついお出かけしたくなり、周辺の施設や店舗の利用や消費行動を促進
8. 既存の公共交通と連携した通勤者向け次世代モビリティ
各シーンで実現したいこと
通勤者が乗換え待ち時間もなくなり、渋滞も緩和され、ストレスなく出勤可能
具体的な実現方法
・既存の公共交通と次世代モビリティとがシームレスに繋がった移動サービスを提供
・特に通勤者の公共交通利用を促進することで渋滞緩和に貢献
9. 移動サービスを集約したモビリティハブ
各シーンで実現したいこと
誰もがより便利にストレスなく移動でき、ハブを中心に人々の交流が盛んになる
具体的な実現方法
・自分に合った移動手段で効率的に移動できるよう、交通・移動サービス提供の拠点を集約
・更に、その場所自体が人々の交流の場としての役割を果たし、様々なサービスを創出
10. 交通ネットワーク/モビリティ管理
各シーンで実現したいこと
モビリティ利用者、歩行者ともに、意識せずに安全に移動することができる
具体的な実現方法
・リアルタイムの交通データや個々のモビリティ情報を収集・分析し、運行管理へと還元
・蓄積データと AI 技術の活用により、最適かつ安心安全な交通計画やモビリティ運行を立案
次世代モビリティ実証実験について
- イベント名:ひたち次世代モビリティフェス
- 日時:2024年12月7日(土)~8日(日)10:00~16:00
- 場所:日立駅前新都市広場周辺
- 実証概要:
①日立駅周辺における市民・来訪者のモビリティ試乗
・歩道を自動走行するベンチ型モビリティの試乗
・歩道を運転する立ち乗り型/座り乗り型のパーソナルモビリティの試乗
・車道を運転する電動キックボードの試乗
・車道を自動走行するカート型モビリティの試乗
②モビリティと関連するイベント実施
・自動運転車両の展示など
関連リンク
お問い合わせ先
(グランドデザイン、次世代モビリティ実証について)
日立市 都市建設部 都市政策課(高橋、小山)
〒317-8601 茨城県日立市助川町 1-1-1 TEL:0294-22-3111(代表)
E-Mail:toshiseisaku@city.hitachi.lg.jp
(共創プロジェクト全体について)
日立市 市長公室 共創プロジェクト推進担当(窪、藤田)
〒317-8601 茨城県日立市助川町 1-1-1 TEL:0294-22-3111(代表)
E-Mail:kyoso@city.hitachi.lg.jp
株式会社日立製作所 ひたち協創プロジェクト推進本部
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