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通勤届の申請・審査業務時間を将来的に最大約40%短縮する可能性を確認、住民サービス向上に向け2026年度以降の全庁的なAIエージェント導入を検討開始

大阪市と株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、自治体業務の効率化と住民サービスの向上に向け、庁内の総務事務を対象に、AIエージェントを活用した実証を行った。その結果、実証環境において、通勤届の申請・審査業務時間の最大約40%短縮の可能性を確認し、住民サービスの向上に向け2026年度以降の全庁的なAIエージェント導入を検討開始する。
具体的には、大阪市総務局の年間約10,000件におよぶ通勤届*1の処理業務に、日立が試行的に開発したAIエージェントを実証環境で適用し、以下の4つのユースケースを対象に、その有効性を検証した。

本実証で検証したユースケース
(1)申請者に対する対話形式での申請方法・入力内容のナビゲート
(2)審査者の申請内容のチェックサポート
(3)審査者の認定可否の判定サポート
(4)審査者の払戻計算サポート

その結果、通常の業務と比較して、業務時間の最大約40%短縮など、本導入に向けては解消すべき課題が多くあるものの、将来的に職員の業務効率向上に大きな効果が期待できる可能性を確認した。
今後、大阪市は本実証で得られた知見を生かして、行政オンラインシステムで受付けた申請の審査業務への適用について実証を行う予定である。また、住民サービスのさらなる向上を目的に、2026年度以降の全庁的なAIエージェントの導入を見据え、本番環境への実装に向けた課題整理、運用ルールや体制整備などの取り組みを進めていく。日立は、今回の実証結果を受け、大阪市および同様の課題を持つ自治体へのAIエージェント導入を支援し、業務効率化を実現することで、住民サービスのさらなる向上に貢献する。

*1 職員が勤務先に通勤する経路や交通手段、定期券の有無や金額などを申告する書類

背景

昨今の労働人口減少に伴い、自治体においても人手不足が喫緊の課題となっており、効率化や省力化につなげる自治体業務の変革が求められている。また、生成AIをはじめとするAIの活用が急速に進む中で、人の代わりにタスクを完了させる「AIエージェント」が注目されており、定型的な事務手続きなども多い自治体業務への導入に期待が高まっている。
大阪市では、大阪市DX戦略アクションプラン*2のもと、全庁的な生成AI環境の整備など、先進的なデジタル化の取り組みを進めている。こうした状況をふまえ、大阪市と日立は、庁内業務のさらなる効率化や将来的な自動化により、職員が住民サービス向上の取り組みに注力できる環境の実現をめざし、AIエージェントの活用に向けた検討を進めた。
今回、大阪市がこれまでのAI活用によって得られたナレッジと、日立がこれまで自治体システムの構築を通じて培ったノウハウや、さまざまな分野におけるAIエージェントの活用スキルを融合し、「しごとのRe-Design」*3のコンセプトに沿ったユースケースをともに検討した。スモールスタートで成果を確認・積み上げながら適用範囲を拡大していく将来計画を見据え、職員から提出される通勤届の受付および、申請内容の精査・認定などを行う業務への適用の可能性について実証した。

*2 Re-Design おおさか ~大阪市 DX 戦略~」及び 「Re-Design おおさか ~大阪市 DX 戦略アクションプラン~」について Web ページ
*3 大阪市 DX 戦略アクションプラン (2024 年 3 月改定版) Web ページ

実証の概要

現在、通勤届に関する業務では、申請者は多数の規程やマニュアルを確認しながら申請書を作成する必要がある。審査者は、提出された内容の妥当性を判断するため、規程や過去の認定実績、経路検索サイトなどを人手で照合する煩雑な作業に多くの時間を要している。
本実証では、大阪市と日立が協力して一連の業務フローを分析し、AIエージェントの適用で業務効率化が見込めるユースケースを検討・評価した。その結果をふまえ、4つのユースケースにフォーカスしたプロトタイプ版システムを構築し、AIエージェントを適用した業務フローを再現して有効性を評価した。
具体例は以下の通りである。

  1. 職員の申請方法をナビゲートするユースケース
    職員の申請方法をナビゲートするユースケースでは、申請者が申請手順を参照したい場合に、AIエージェントにチャットで尋ねるだけで必要な申請や手順の案内を受けることができる。さらに、対話形式でAIの質問に答えるだけで、申請書が自動生成されるほか、申請内容が規則に合っているかの可否や入力漏れの有無も概ね自動で確認が可能であることが分かった。これらにより、申請の不備を減らし、手続きにかかる工数削減につながる可能性を確認した。
  2. 申請内容の審査を支援するユースケース
    申請内容の審査を支援するユースケースでは、AIエージェントが規則に合う通勤経路の候補をWeb情報をもとに自動生成するほか、過去の同一経路の認定実績も自動で参照することで、申請内容が認定基準に沿っているかを概ね確認することができた。これにより、現在、人手で行っている参照作業をAIエージェントが代替し、審査に必要な工数を削減できると見込まれる。

このようなAIエージェント適用の結果、業務時間を最大約40%短縮など、職員の業務効率向上において、AIエージェントの有効性の可能性が確認できた。

実証期間2025 年 9 月~2026 年 3 月
対象業務通勤届の申請・審査(年間約 10,000 件、うち約 5,000 件が 4 月に集中)
実証内容・対象業務のフロー分析と、AI エージェントを適用するユースケースの検討・評価
・プロトタイプ版システムを用いた有効性の検証(4 つのユースケース:申請方法・入力内容の
ナビゲート、申請内容のチェックサポート、認定可否の判定サポート、払戻計算サポート)
・実証結果をふまえ、本番導入に向けた課題の洗い出し など
役割大阪市:
対象業務の選定、業務フロー情報の提供、プロトタイプ版システムの活用・検証結果の評価など
日立:
業務フローの分析、プロトタイプ版システムの設計・構築、実証結果の整理・効果検証など
実証結果、
主な効果
本実証における適用効果
・業務の効率化(通常の業務と比べ、最大約 40%の業務時間の短縮)
今後期待される効果
・他業務への展開によるさらなる業務の効率化

今後の展開

今後、大阪市は本実証で得られた知見をもとに、2026年度に行政オンラインシステムで受け付けた申請の審査業務への適用について実証を行う予定である。あわせて、市民の皆さまからの申請手続における入力案内や不備の抑制など、申請者の負担軽減につながる活用方法についても検討を進める。こうした取り組みを通じて、AIエージェントの導入による業務の効率化と市民サービスのさらなる向上を図っていく。
日立は、本実証で得られた知見を生かし、自治体業務の自動化をめざしたAIエージェント関連のサービス開発を進め、将来にわたって持続可能な庁内運営の実現に貢献する。また、本実証と同様に、AIエージェントや自治体システムに関する日立のドメインナレッジや技術を用いて、データを価値に変換するLumada 3.0の取り組みを自治体業務にも適用していく。さらに、将来的にはAIで社会インフラを革新する次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi」へと発展させることを検討していく。これにより、全国の自治体におけるデジタルを用いた業務変革を推し進め、住民や職員のQoL向上に貢献していく。

関連 Web サイト

日立 自治体分野 Web ページ:https://www.hitachi.co.jp/Div/jkk/jichitai/index.html

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