・ 日立グループ約29万人の全ビジネスプロセスで先進的なAIを活用し生産性を向上
・ 10万人規模のAIプロフェッショナル人財を育成、カスタマーゼロでの成果をもとにHMAXを共同開発・高度化
・ 北米・欧州・アジア横断のグローバル組織「Frontier AI Deployment Center」設立、専門家チーム100人配備
日立は、社会課題を解決する事業モデル「Lumada 3.0」のさらなる強化に向け、AIの安全性に関する研究と信頼できるAIモデルの提供で世界をリードするAnthropicとの戦略的協業を開始した。
現在、AI技術はサイバー空間から実世界へ影響を与えるフィジカルAIへと進化しており、ミッションクリティカルな現場においても、AIを安全かつ円滑に実装・運用したいというニーズが急速に高まっている。本提携により、両社は、日立が110年以上にわたり培ってきた深いドメインナレッジやIT・OT(制御・運用技術)・プロダクトの知見と、Anthropicの先進的なAIを融合することで、電力・交通・製造・金融といった社会インフラの円滑かつ安全な運用に向けた、システム開発・運用の高度化やセキュリティ強化を強力に推進し、顧客と社会のAIトランスフォーメーション(以下、AX)に貢献する。
また、こうした顧客への提供価値を最大化するため、日立とAnthropicは自社のAXによる業務改革も推進する。日立グループ約29万人の全ビジネスプロセスにClaudeなど先進的なAIを導入し生産性を向上させるとともに、10万人規模のAIプロフェッショナル人財の育成を共同で図る。日立は、この自社での実践をカスタマーゼロと位置づけ、その成果をもとに、AIで社会インフラの革新を実現する次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi(以下、HMAX)」のさらなる高度化を図る。
世界190カ国地域に広がる顧客への価値提供と自社実践をグローバルで推進する中核として、日立は北米・欧州・アジアを横断するグローバル組織「Frontier AI Deployment Center」を設立する。本組織の最初の取り組みとして、Anthropicの Applied AI担当者と日立のIT・OT・プロダクト、セキュリティの専門家からなる共同チームを始動させ、両社の専門知識を結集する。
今後、日立は本組織を起点に、社会実装のベストプラクティスを創出しながら、顧客の現場での価値創出を加速させ、AIを活用したハーモナイズドソサエティの実現に貢献する。
背景
現在、AI技術はサイバー空間に留まらず、実世界に直接働きかけるフィジカルAIへと急速に進化している。これにより、製造・保守、インフラ運営などを支えるフロントラインワーカーの深刻な人手不足や負担増といった社会課題を解決し、実社会における真のDXを推進できる環境が整いつつある。日立は、社会イノベーションをグローバルに推進する企業として、この課題解決を重要な使命と捉えている。
日立は、グローバルに展開するIT・OT・プロダクトから得られるデータに、長年培ってきた深いドメインナレッジとAIを掛け合わせて社会課題を解決する Lumada 3.0 を推進している。一方で、AIが実社会のインフラや現場に深く入り込むほど、そこには極めて高い安全性と信頼性が不可欠となる。今回、その要件を満たし、エンタープライズ領域での豊富な実績を有する先進的なAIモデルClaudeを提供するAnthropicと戦略的パートナーシップを締結することで、Lumada 3.0 を体現するHMAXを強化し、現場で働く人々のエンパワーメントを強力に推進していく。
戦略的パートナーシップの概要
(1) Anthropic「Claude」と日立のケイパビリティ融合によるAX加速
AnthropicのClaudeが持つ高度なコード生成・解析能力と、日立が持つミッションクリティカル領域でのシステムエンジニアリング力を融合させることにより、顧客のシステム開発・運用の効率と品質の飛躍的な向上を実現する。これにより、変化の激しい市場環境において、顧客の迅速な新サービス立ち上げやデータ主導のビジネス変革といったAXを強力に後押しする。また、金融、交通、電力といった重要インフラを対象に、セキュリティ専門組織「Cyber CoE」とAnthropicが緊密に連携することで、サイバー攻撃の検知や対応を高度化する。社会インフラのサイバーレジリエンスを抜本的に強化、AIを安心・安全に実装できる堅ろうな環境を提供することで、社会全体のAX加速に貢献する。
(2) 日立グループ全体の業務改革
日立は、世界最大級のClaude活用実践企業となるべく、日立グループ約29万人を対象に、全ビジネスプロセスでの先端AI活用を推進する。具体的には、AnthropicのClaudeを活用し、①ソフトウェア開発における工数削減、②コーポレート業務の効率化、③ハードウェアの保守・運用業務の自動化(障害対応や手順書作成など)といった領域で生産性向上を実証しながら、営業、企画部門など非エンジニアも含めたあらゆる職種で業務改革を加速させる。この大規模な自社実践の中で、10万人規模の従業員がAIを日常業務で高度に活用するAIプロフェッショナル人財となるための育成・実践プログラムを開始する。日立は、このカスタマーゼロとしての取り組みを通じて得た、実践的な知見やノウハウを、顧客への提供価値へと還元していく。
(3) HMAXの高度化
日立が110年以上にわたり培ってきたOTやプロダクトの知見と、先進的なAIを掛け合わせ、HMAXの高度化を図る。高い安全性と信頼性を備えるAnthropicのAIでHMAXを強化し、ミッションクリティカルな現場におけるAIの適用範囲を大きく拡大する。具体的には、高い推論能力を持つClaudeをHMAXの各ソリューションに積極的に取り入れることで、例えば、「自然言語による直感的な設備管理」を通じたダウンタイムの極小化や、「高度なアルゴリズムによる保全業務の最適化」による運用コストの削減など、現場の課題を解決し、顧客のビジネスの強靭化と持続可能なインフラ運営に直結する価値を創出する。
(4) グローバル組織「Frontier AI Deployment Center」を通じた価値創出の加速
社会イノベーションを牽引するため、日立はAI協業エコシステムの中核となるグローバル組織「Frontier AI Deployment Center」を始動する。本組織において、今回まずAnthropicの Applied AI担当者と、日立のIT・OT・プロダクトやセキュリティの専門家からなる共同チーム(約100名から300名規模を目標に順次拡大)が参画し、両社の知見を融合させる。これにより、フィジカルAI領域におけるユースケースの協創、技術実装支援、そしてソリューション開発を強力に加速させる。
日立製作所 執行役副社長 デジタルシステム&サービス部門長 阿部 淳 のコメント
日立は、社会イノベーション事業を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してきました。現在、労働人口減少にともないフロントラインワーカーの課題が顕在化しています。今回の戦略的パートナーシップを通じて、Anthropicの極めて信頼性の高いAI技術と日立が有するミッションクリティカル領域のドメインナレッジやIT・OT・プロダクトのケイパビリティを融合させることでお客さまと社会の課題を共に解決していけることを大変うれしく思います。私たち自らが実践者として先進的なAIを活用しながら、「社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダー」として、お客さまの現場(フロントライン)の変革と実社会における真のDXを共に推進し、ハーモナイズドソサエティの実現をめざしていきます。
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