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 日立製作所、JPX総研、野村證券 および BOOSTRY は、日立による、IoT やブロックチェーン基盤などのデジタル技術を用いた「グリーン・デジタル・トラック・ボンド (以下、デジタル環境債)」の発行に向けて、協業する。発行条件については決定次第 発表される。
 デジタル環境債は、デジタル技術を活用して、グリーン投資に関連したデータの透明性の向上やデータ収集の効率化をめざす債券であり、日立とJPX総研が開発した、環境改善効果をタイムリーに参照できるグリーン・トラッキング・ハブに加え、BOOSTRY が提供するブロックチェーン基盤を活用した社債型セキュリティ・トークン (以下、デジタル債) のスキームを活用する。なお、デジタル環境債の発行は、株式会社日本取引所グループに続いて、国内では 2 例目となる。
 4 社は、今回の日立での発行に続いて、今後も本スキームを活用してデジタル環境債の発行を促進し、多くの発行体や投資家が利用可能とすることで、社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献していく。

 

調達資金の使途

 日立は、本デジタル環境債により調達された資金を、2030 年度までの事業所 (ファクトリー・オフィス) におけるカーボンニュートラルの実現に向けて、2019年 3月に竣工し、2021 年度にカーボンニュートラルを達成した中央研究所「協創棟」(省エネルギービル)に関する、建設費用及び改修費用のリファイナンスに充当する予定。
 詳細はこちら。
 株式会社日立製作所 グリーンボンド・フレームワーク(PDF)

本取り組みの特徴

デジタル債

 本デジタル債は、日立が発行会社となる公募 STO (セキュリティ・トークン・オファリング)。
STO とは、発行会社が従来の株式や社債などに代わり、ブロックチェーンなどの電子的手段を用いて発行するトークンに株式や社債などを表示する「セキュリティ・トークン」により資金を調達するスキーム。

デジタル環境債

 グリーンボンドなどの ESG 債市場において、投資されるプロジェクトが生み出す環境・社会への効果を測定かつ比較可能な指標の形で示すことができれば非常に有用であると考えられている。
なお、本デジタル環境債の発行にあたり、日立は株式会社格付投資情報センター (R&I) よりグリーンボンド・フレームワークに対するセカンド・パーティ・オピニオンを取得している。

 また、OpenStageでは、オープン基盤での稼働実績を踏まえ、次のステップとして、パブリッククラウド化の技術検証やさらなるデータ利活用検証を実施中。これらにより、お客さまの銀行システム全体における、IT戦略投資の最適化をめざす。

デジタル債を発行するプラットフォームの概要

 本デジタル債では、従来の証券保管振替機構による管理に代わり、BOOSTRY が主導するコンソーシアム型ブロックチェーンネットワーク「ibet for Fin *1」を用いて発行・管理を行い、発行から期中管理、償還までの業務プロセスを電子的方法により完結させる。
 ibet for Fin に係るシステム上で社債原簿の管理を行うとともに、従来型の社債では困難であった発行会社による社債権者の継続的な把握などを可能にしている。

グリーン・トラッキング・ハブの概要

 日立は、本デジタル環境債によって調達した資金使途の透明性を高めるため、日立とJPX総研が開発したグリーン・トラッキング・ハブを活用して、資金充当した省エネルギー性能を有する建物のエネルギー消費量を自動的に計測し、ベンチマーク比での CO2 排出削減量、エネルギー削減量に換算、データ開示を行う。
 これにより、投資家がいつでも外部からモニタリングでき、年次のレポーティングだけではない高い透明性をめざす。
 また、BOOSTRY へのデータ連携を行い、ibet for Fin 上にエネルギー削減量や CO2 排出削減量を記録することで、データの透明性・適時性を高めることが可能となる。
 グリーン・トラッキング・ハブではすでに対応済みである再生エネルギー施設からのデータ収集機能に加え、今回建物からのデータ収集に対応した。
 今後対象となるグリーンアセットを順次拡大していく予定である。
 なお、日立は、グリーン・トラッキング・ハブが有するグリーンプロジェクトの環境改善効果の透明性を高める仕組みを応用し、カーボン・クレジットの発行・認証の自動化 *2 や、事業会社のカーボン・オフセット支援などにも活用シーンを拡充していく計画。
 グリーン・トラッキング・ハブ URL は以下の通り。一般向け公表であり、投資家を含む誰でもが閲覧できる。なお、本デジタル環境債発行後に、日立に関する情報も閲覧可能になる。
 https://jpx-trackbond.com/

各社の役割分担

 4社は、それぞれ以下の役割を担い協業するとともに、本取り組みから得られた学びや洗い出された課題を共有していくことで、社会全体のカーボンニュートラルへの貢献をめざす。

会社名主な役割
日立· 本デジタル環境債の発行
· グリーン・トラッキング・ハブのエネルギー削減量やCO2 削減量のデータを記録・管理、
 データ連携するシステム(「サステナブルファイナンスプラットフォーム(モニタリング
 データ提供機能)*3」を適用)の提供・保守
JPX総研· グリーン・トラッキング・ハブの、投資家が環境改善効果を参照するシステムの提供・保守
野村證券· デジタル・ストラクチャリング・エージェント*4
· 本デジタル環境債の引受
BOOSTRY· ブロックチェーン基盤「ibet for Fin」と連携するためのシステムの提供と保守
· ibet for Fin へのエネルギー削減量/CO2 削減量の記録の保存

*1: 詳細はBOOSTRY が公開するibet for Fin の紹介サイト参照。https://www.ibet.jp/ibet-for-fin
*2: 2023 年10 月30 日付リリース「環境省が推進するJ-クレジットのデジタル化に向けて、本格的に実証を開始」https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/10/1030a.html
*3: サステナブルファイナンスの促進に向けて、日立が提供するプラットフォームの一部。IoT やブロックチェーンを活用して、投資先プロジェクトの設備の稼働データを安全に収集し、モニタリング/レポート作成までを自動化するもの。https://www.hitachi.co.jp/rd/research/design/service/case_environment.html
*4: デジタル環境債のスキームを組成し、デジタル技術を用いたインパクト・レポーティングや投資家への販売、必要書面などに関する助言などを通じ発行支援を行う者。

日立の金融デジタルソリューション

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