協業の背景
近年、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組み、さまざまな情報のデジタル化や、クラウドコンピューティングや生成AIといった新しい技術を活用したビジネスプロセスの変革が進展している。これらの動きにより、一企業のデータ損失やサービス停止が、社会全体に影響を与えるリスクも増大している。このリスク対策としての定期的なデータバックアップは、データの増大とともに、システム負荷の増大を招いている。さらに、サイバー攻撃の巧妙化・高度化が、迅速な復旧を困難にしている。
日立グループでは、サイバーセキュリティ対策の強化に向けて、Rubrikをはじめとするさまざまなパートナーと協業している。今回、Rubrikが提供するサイバーレジリエンス機能と、日立の高信頼なデータ保護技術を組み合わせて、サイバーセキュリティリスク対策のさらなる強化に取り組む。
協業のポイント
(1)データバックアップのシステム負荷の極小化
Rubrik製品は、VSP-to-Rubrik connector経由でVSPのデータ保護機能と連携する。具体的には、Rubrik製品の指示に基づき、VSP内部でバックアップ用のコピーデータを高速に作成する。バックアップデータはVSP内から読み出され、ハイパーバイザー*1を経由してRubrik製品に書き込まれる。これらにより、ハイパーバイザーでのバックアップ用のコピーデータの作成が不要となるため、負荷が軽減され、より多くのデータバックアップを取得する場合であっても、業務影響を軽減できる。
*1 ハイパーバイザー:サーバーを仮想化し、複数のOS(Operating System)を並列に実行できるようにするソフトウェア。
(2)インシデント発生時のデータ復旧の迅速化
Rubrik製品は、機械学習を利用することにより、オペレーティングシステムとストレージデバイス上の疑わしい挙動と悪意をもってシステムに悪影響をおよぼすプログラムやランサムウェアを自動で検出する。これにより、ランサムウェアの感染による異常な挙動を検知するとともに、侵害されていないバックアップポイントを迅速に検索・選択できる。また、仮想マシンのデータ回復時に、復旧のシミュレーションや自動実行も可能である。これらにより、万一のインシデント発生時、復旧する際のデータ損失リスクを低減するとともに、復旧にかかる時間を短縮できる。また、Rubrikによって保護されたデータは、クラウドへのアーカイブも柔軟に行うことができるため、コストを抑制しながら災害対策環境の構築が可能である。
日立は、今後も、Rubrikをはじめとするさまざまなパートナーとの協創を強化し、機密性の高いデータも含めたあらゆる企業データを、安全・安心・シームレスに多様なクラウドサービスで利用できる共通データ基盤を実現することで、データドリブン経営を支え、お客さまの持続的な成長に貢献していく。
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