インフラを変えるだけでなく、メンバーの意識、価値観から変える……。第一フロンティア生命保険のインフラ刷新プロジェクトはどのように進められたのか。アジャイル開発をどう適用させたのか。成果を得るまでの軌跡を対談で振り返る。
開業から17年目を迎えた第一フロンティア生命保険は、金融業界にありながら、基幹システムをクラウドに移行し、アジャイル開発への体制移行などを推進してきた。きっかけこそ、システムの肥大化による開発期間やコストの増加、ハードウェア老朽化だったが、単なるリプレースではなく、事業への貢献を主眼に置き、人材、プロセス、システムインフラの3つの変革を同時に成し遂げた。
クラウド移行に合わせてAPI化を進め、代理店向けシステムを切り出すなど、営業に必要なシステムを迅速に提供できるよう体制を整えた。これによって、これまで半年かかっていた新商品開発期間を3カ月にまで短縮するといった成果を上げている。アジャイル開発における行動原則を作成し、めざすべき方向を言語化し、共通認識を持つなど、組織にとっても大きな効果があった。
将来的に、パブリッククラウドへの移行だけではなく、オンプレミスのプライベートクラウド化も含む、全システムの「クラウド化」をめざす同社は、このプロジェクトをどのように進めてきたのか。