日立は、Hyperledger Foundation の設立当初からのプレミアメンバーとして、Hyperledger Fabric の開発や品質向上、運用性の向上に貢献してきた。また、その知見を生かし、ブロックチェーン環境のマネージドサービスである「Hitachi Blockchain Service for Hyperledger Fabric」を提供している。今後も日立は、ブロックチェーン関連技術を企業間取引などのエンタープライズ用途でのサービス創出や実証実験に活用し、地域経済の活性化や人手不足の解消といった社会課題の解決に取り組むとともに、Hyperledger Foundation のコミュニティへの参画を通じ、ブロックチェーン関連技術の発展や普及に貢献していく。
*1: Hyperledger Foundation 調べ
*2: 2024年4月時点
佐藤 竜也 のプロフィール
株式会社日立製作所 研究開発グループ デジタルサービスプラットフォームイノベーションセンタ 所属。
Hyperledger Fabric の日本語翻訳プロジェクトの推進や、Hyperledger Fabric向けの運用機能の改善や拡充、fabric-samples のメンテナなどの活動を通じ、このたび、プロジェクト全体の技術的な方向性を決定し 全てのパッチのレビューとマージの責任を持つコアメンテナに就任。
- 2018年より Hyperledger Fabric の開発に参画し、継続的なパッチ投稿を通じてそのユーザビリティとコード品質の維持や向上に寄与。活動内容はパッチ投稿だけに留まらず、日本国内での Hyperledger コミュニティの成長と普及にも貢献。具体的には Hyperledger Fabric のドキュメントを日本語に翻訳するプロジェクトの推進や Hyperledger Japan Chapter での Chapter Leads を担当。ブロックチェーン技術や Hyperledger Fabric の本番利用に不可欠な運用管理に着目し、これを改善するための活動にも従事。
- 2021年2月には非中央集権型システムに適した運用管理ツールであるOpsSC (Operations Smart Contract) for Hyperledger Fabric を Hyperledger Foundationに実験的プロジェクト (Hyperledger Labs) のひとつとして寄贈。加えて、Hyperledger Fabric における運用管理の基本機能に関して、エンタープライズ用途に必要な運用コマンドの追加や操作性の向上など、多くの改善や拡張を実施。
- 2023年5月に Hyperledger Fabric の普及に利用される fabric-samples (Hyperledger Fabric のサンプル集を管理するリポジトリ) のメンテナに就任。
- 2024年3月にコアメンテナに就任](https://github.com/hyperledger/fabric/pull/4722){: target="_blank" }。Hyperledger Foundation および Hyperledger Fabric に対して、技術面だけでなく、コミュニティの拡大と発展にも貢献。
Hyperledger Foundation および Hyperledger Fabric について
The Linux Foundation が主催する Hyperledger Foundation では、オープンイノベーションによるブロックチェーンの技術開発と標準化に取り組んでいる。Hyperledger Fabric は、ブロックチェーンを活用するエンタープライズ向けのシステムまたはソリューションを開発するためのプラットフォームである。ブロックチェーンの特性である、耐改ざん性、非中央集権性を実現するスマートコントラクトや分散合意の仕組みに加えて、エンタープライズ向けに必要となる、データのアクセス制御、スケーラブルなパフォーマンス、幅広いユースケースに対応できるように設計されている。
日立のブロックチェーンの取り組みについて
日立は Hyperledger Foundation 設立当初よりプレミアメンバーとして参画し、コミュニティ運営への協力や継続的なパッチ投稿などを通じて、技術の普及とコードの品質向上に貢献している。安定稼働を実現するフルマネージドなブロックチェーン環境「Hitachi Blockchain Service for Hyperledger Fabric」を活用し、信頼を担保した企業間取引のサービス創出や実証実験を実施している。また日立は、ブロックチェーン技術の応用により個人がデータを所有・管理し、個人同士が自由につながり交流・取引するWeb3の実現に向けた実証実験にも参画している。さらに、OT分野への適用検討も開始しており、将来の社会インフラとしての可能性を探求している。
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