再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、ノンファーム型接続 ※1が適用され、系統増強を待たずして電力系統の連系が可能となった一方で、連系する電源の増加に伴い系統混雑 ※2の発生が想定されている。この系統混雑の解消策として、一般送配電事業者の指令により電源の出力を制御する再給電方式(一定の順序)が適用されているが、電源投資に対して価格シグナルが働かないことから、国の審議会(電力・ガス取引監視等委員会制度設計専門会合)では、市場主導型(ゾーン制・ノーダル制) ※3に速やかに移行するよう早急に検討を進めるべきとされている。
市場主導型の混雑管理へ移行する場合、前提となる制度・市場上の整理等に加えて、共通基盤となる新たなシステムのロジック開発など技術的な課題が存在する。
このような背景から、本事業では市場主導型の混雑管理適用時の試行的な費用対効果の検証を行うとともに、市場主導型制御システムで必要となるSCUC・SCED ※4ロジックについて、既存技術を高度化・代替する手法や新規技術の調査・検討を実施する。事業期間は、2024年6月から2027年3月までの予定。
7者は、本事業を通じて、再エネ導入拡大に伴う系統混雑の管理において、市場主導型を適用する際の課題を解消し、電源の統合コスト低減を図ることで、電力システム全体の最適化に貢献することを目指す。
※1 新規に電源を接続する場合に、送電線の空容量を確保せず、送電線の利用状況に応じて、発電量の「出力制御」をおこなうことを前提に接続を認める仕組み。
※2 送変電設備(送電線・変圧器等)に系統運用上流すことの出来る容量の上限を超えてしまう状態。
※3 系統混雑が発生しない範囲で卸電力市場の取引が行われる仕組み。
※4 Security Constrained Unit Commitment/Security Constrained Economic Dispatchの略。系統の各種制約を考慮した上で、発電機の起動停止計画/経済負荷配分を決定すること。
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「電源の統合コスト低減に向けた電力システムの柔軟性確保・最適化のための技術開発事業(日本版コネクト&マネージ2.0) 研究開発項目2:市場主導型制御システムの技術検討」の概要