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HADB の新機能により、さらに安定した検索処理性能を実現

日立は、高速かつ低コストなデータ利活用基盤を Microsoft Azure (以下、Azure) 上に短期間で構築可能な、超高速データベースエンジン「Hitachi Advanced Data Binder*1」(以下、HADB) のベストプラクティス構成 (検証済みのシステム構成) を提供開始する。
今回提供する Azure 版では、高速なブロックストレージサービス (Azure Managed Disks*2) をキャッシュ向けに利用し、安価なオブジェクトストレージサービス (Azure Blob Storage*3) に DB データを格納することで、高速なデータ利活用基盤を低コストで構築できる。
また、HADB の新機能であるキャッシュ利用の最適化により、安定した検索処理性能を実現する。既に提供している HADB のアマゾンウェブサービス (以下 AWS) 版ベストプラクティス構成*4 でも、HADB の新機能によりさらに安定した検索処理性能が実現できる。

*1: 内閣府の最先端研究開発支援プログラム「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者: 喜連川 情報・システム研究機構 機構長/東大特別教授) の成果を利用
*2: Microsoft が提供するクラウドストレージサービスの1つ。特に処理速度を高速化したいデータの保存に適する
*3: Microsoft が提供するクラウドストレージサービスの1つ。安価で耐久性が高く、大量のデータ保存に適する
*4: 「高速かつ低コストなデータ利活用基盤を AWS 上で構築可能な日立の超高速データベースエンジン HADB のベストプラクティス構成を提供 -製造工程をモデル化したベンチマークにおいて、クラウドの一般的な DB サービスに比べ 7 倍以上の処理速度を達成-」
   https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/data-binder/topics/hadb_20231114.html

近年多くの企業では、日々発生する設備や機器など現場の IoT データや、商品の取引履歴・品質情報といった時系列データの活用により、ビジネスの意思決定を迅速化する取り組みなどが活発化している。こうした複数の生産拠点やサプライチェーンから発生するデータを蓄積するデータ利活用基盤を、クラウド上に構築するケースも増えており、大量データの蓄積を考慮したコストパフォーマンスや処理性能が求められている。

これまで日立は、大量データの複雑な分析の高速化に適した「非順序型実行原理*5」を実装した HADB を、製造、流通、金融、社会、公共などの分野に導入するとともに、顧客のニーズをもとに、発生データのリアルタイムでの取り込みやクラウド対応などを強化してきた。また、日立は長年、各種 DB 製品や ETL ツールを使いこなすデータ利活用基盤の構築を支援してきた。そのノウハウを活かし、DX の構想からアプリケーション開発、基盤提供、運用までを、成功事例の活用により迅速かつ確実に支援する「Hitachi Intelligent Platform」を提供している。
*5 喜連川 情報・システム研究機構 機構長/東大特別教授、合田 東大教授が考案した原理

日立は今後も、HADB において AWS や Azure のサービスリリースに対応したベストプラクティス構成の提供や、セキュアなデータ利活用に適したオンプレミス環境での機能拡充を継続し、社会インフラを支える企業の DX に貢献していく。

ベストプラクティス構成の特長
今回提供する Azure 版は、HADB の性能と Azure の利用コストのバランスを踏まえた実機検証済みのシステム構成である。具体的な特長は以下の通り。
(1) 高速なブロックストレージサービス (Azure Managed Disks) を DB データのキャッシュ向けに利用し、高速なデータ処理を実現
(2) 安価なオブジェクトストレージサービス (Azure Blob Storage) に DB データを格納することで、コストを低減
(3) 仮想マシン (VM) を含め、性能とコストのバランスを踏まえた構成パターンを提供し、システム構成の検討期間を短縮可

画像: Microsoft Azure 版 HADB ベストプラクティス構成の特長

Microsoft Azure 版 HADB ベストプラクティス構成の特長

Azure Blob Storage を活用した HADB ベストプラクティス構成のコスト低減の例
DB データ量 20TB*6 を Azure Blob Storage に格納し、キャッシュとして Azure Managed Disks を 2TB*6 利用する HADB ベストプラクティス構成*7 において、20TB の DB データを全て Azure Managed Disks に格納する構成と比べ、クラウドストレージの利用料が下がり、Azure の利用料を約 2 割低減*8 できる。
*6: 1TB=1,0004バイトとして計算した値
*7: サーバには Azure Virtual Machines に Standard_E48bs_v5 を利用
*8: 730 時間/月の利用、1 ドル 150 円の場合(2024 年 6 月時点の利用料で比較)

HADB 新機能の特長

HADB バージョン 05-10 では、利用用途の異なる項目(表やインデックス) が使用する領域に対して個別のキャッシュを割り当てるカスタマイズを可能とした。また、HADB 再起動時にキャッシュを保持するようになった。これらのキャッシュ利用の最適化により、HADB のベストプラクティス構成 (Azure 版および AWS 版) の検索処理においても、よりキャッシュが活用されるようになるため、さらに安定した処理性能を実現する。

HADB について

HADB は、大量データの高速かつタイムリーな分析を可能とする標準 SQL に対応した国産のリレーショナルデータベースである。本製品は、データ処理可能なところから並列に複数タスクを実行することで、サーバ・ストレージの能力を最大限に使い切る「非順序型実行原理」に基づき、超高速検索処理を可能としている。また、集計や分析に影響を与えない高速データインポート機能により、日々生み出される多様で大量のデータをほぼリアルタイムで反映できるため、顧客の新たなビジネス価値の創出に寄与する。これらの特長は、パブリッククラウド上でのデータ検索にも活用でき、より柔軟で迅速なデータ分析を実現する。

日立のデータ利活用サービスへの適用例
・製造 DX (製造現場のデジタルツイン化ソシューション IoT コンパス)
製造現場の各工程で発生する IoT データを、日立独自の生産モデルに紐付けて集約し、全体最適化視点での分析やシミュレーションを、迅速かつ継続的に行えるようにする生産現場のデジタルツイン化ソリューションの分析エンジンに採用されている。

摘要業務の例
・製造流通分野:製造実績トレースによる品質管理データを用いた消費分析に基づく生産計画
・金融分野:取引データ分析による不正取引の監視、検知
・社会分野:交通、設備のセンサーデータを収集した保守分析
・公共分野:医療レセプト情報を活用した地域の医療施策の立案

【関連Webサイト】
・超高速データベースエンジン Hitachi Advanced Data Binder
 https://www.hitachi.co.jp/data-binder/
・DX の成長サイクルを加速する Hitachi Intelligent Platform
 https://www.hitachi.co.jp/hipf/

 

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