静岡銀行、静銀 IT ソリューション株式会社、日立は、このたび、静岡銀行のオープン勘定系システムの機能追加開発における生成 AI 適用の実用化に向けた技術検証を開始した。
静岡銀行と日立が共同開発し、2021 年に稼働したオープン勘定系システムは、アプリケーション構造の全面刷新とオープン化による先進技術を取り入れたことにより、35%の開発生産性向上*1 や、機能拡張が容易なシステム基盤の構築を実現している。
今回の技術検証では、静岡銀行の先進的なオープン勘定系システムと、日立の生成 AI に関する知見・ノウハウを融合し、システム開発への生成 AI 適用による、さらなる生産性向上と高品質・高信頼性をめざす。
*1: 株式会社しずおかフィナンシャルグループ「2022年度中間決算の概要」p.27参照
https://www.shizuoka-fg.co.jp/pdf/ir/2022/2022_2Q_scripts.pdf
背景
近年、金融業界では、急速な経営環境の変化に対応するため、デジタル技術活用やデータ利活用など、DXの取り組みが加速しており、金融機関のシステムにおいては、人財の確保、開発プロセスの効率化、各種規定やガイドラインの遵守、および迅速な対応が求められている。
静岡銀行と日立では、従来からこれらの対応を進めており、今回の生成AIの適用が実現することで、金融機関の根幹を支えるミッションクリティカルなシステム開発において、さらなる効率性や信頼性の向上などが期待される。
技術検証の概要
今回の技術検証では、静岡銀行と日立が共同開発した、オープン基盤上で稼働する勘定系システムの機能追加開発に生成AIを適用する。まずは、設計、製造、各種テストなどの開発プロセスのうち、製造・単体テスト工程における検証から開始する。具体的には、詳細設計書を元に、生成AIによってソースコードやテストケースを自動生成し、日立のエンジニアが生成したソースコードやテストケースとの差異を検証する。
さらに、システム開発に関する業務知識やプロジェクト情報などを活用する知識データベースを構築することで、生成AI適用範囲の拡大につなげる。
今後の取り組み
静岡銀行、静銀ITソリューション、日立は、今後、システム開発における製造・単体テスト工程のほか、上流工程である要件定義や影響調査を含めた全工程へ生成AIを適用し、知識データベースもさらに高度化させることで、より高品質で安定したサービスを迅速に提供することをめざす。また、今回技術検証を実施するオープン勘定系システムのほか、静岡銀行のシステム全体への生成AI適用を検討する。
さらに、日立は、本取り組みを「OpenStage*2」をはじめとしたオープン勘定系システムなどへ適用することをめざし、その他金融機関へ横展開することで、金融機関におけるシステム開発のモダナイゼーション推進を支援する。
*2: 日立オープン勘定系パッケージ「OpenStage」は、<つながる><組み合わせる><連携させる>3つの観点でシステム構造を刷新した、“使う”勘定系システムへ転換した、Linuxベースのオープン勘定系パッケージ。『環境変化に強く俊敏な仕組み』を実現することで、将来にわたって迅速な経営戦略の実現と多様な金融サービスの提供を強力にサポートする。
https://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/solutions/application/banking/corebanking/index.html
関連Webサイト
静岡銀行ホームページ
日立の金融ソリューションに関するWebサイト
静岡銀行について
静岡銀行では、2022年10月の持株会社体制への移行を機に、総合金融グループとしての機能をさらに高めながら、地域や顧客が抱える課題解決の支援に取り組んでいる。
現在、しずおかフィナンシャルグループで推進する第1次中期経営計画「Xover-新時代を拓く」では、「人的資本経営」を経営戦略の中心に据え、「地域共創戦略」「グループビジネス戦略」「トランスフォーメーション戦略」「グループガバナンス戦略」の4つの基本戦略を展開している。こうした活動を通じて、グループがもつ多様な機能・サービスを広く地域に提供し、社会価値の創造と企業価値の向上の両立をめざしている。
静銀ITソリューションについて
静銀ITソリューションは、しずおかフィナンシャルグループの「IT提供責任部門」として、事業内容である「システム開発」「システム運用」「金融サポート」「一般企業向けIT化支援サービス」を展開している。
第1次中期経営計画で掲げる10年後にめざす姿「地域の未来にコミットし、最適なITソリューションを創造・提供する企業」の実現に向けて、すべてのステークホルダーに安全で付加価値の高いITソリューションを提供する。