日立市と日立製作所は、このたび次世代未来都市(スマートシティ)の実現に向けた共創プロジェクト*1 で推進するテーマの一つ「デジタル健康・医療・介護の推進」のめざす姿である「住めば健康になるまち」のグランドデザインを描いた。
本グランドデザインは、市政運営の羅針盤である日立市総合計画*2 最終年度の 2031 年にめざす姿として、健康・医療・介護領域における社会課題(市民、医療・介護従事者の困りごと)をデジタルの力によって解決した先にある「住めば健康になるまち」とはどういうものであるかを、わかりやすくイメージ化したものである。
日立市と日立製作所は、このような未来像を実現するため、「地域医療のデジタル化」「健康データの集約・活用」「地域包括ケアシステムの構築」の 3 つの取り組みを進めている。今回、「健康データの集約・活用」の取り組みの一環として、日立市内の各保険者の健康データの集約・分析実証と、市民健康意識の醸成、健康行動促進に向けた、健康アプリを活用した AI 分析実証を開始する。
日立市と日立製作所は今後も、市民や地域の医療・介護を支えるステークホルダーと対話しながら、これらの取り組みを段階的に計画・実行していく。そして、その成果や社会潮流・技術発展なども取り込み、本グランドデザインを更新していくことで、市民の健康・医療・介護への興味関心を喚起し、めざす未来社会の実現に向け、ともに挑戦をしていく。
*1 日立ニュースリリース:「日立市と日立製作所が、デジタルを活用した"次世代未来都市(スマートシティ)の実現にむけた共創プロジェクト"に関する包括連携協定を締結」 (2023 年 12 月 21 日)
*2 日立市総合計画(2022~2031 年度)についてデジタル健康・医療・介護における取り組み
デジタル健康・医療・介護における取り組み*3
1.地域医療のデジタル化
通院の負担や待ち時間を減らし、自分にあった場所・時間で健康や病気の悩みを相談したり、適切な医療サービスを受けることができる未来をめざす。2025 年 4 月から小児対象の夜間・休日オンライン診療および子育て世帯対象の24 時間 365 日オンライン医療相談サービス*4 を開始した。これにより、地域医療の救急外来逼迫の軽減、子育て世代への医療サービス提供の一助となっている。
2.健康データの集約・活用
健康データを集約・分析することで、市民全体の健康課題を把握し、疾病リスクの予測、身体の状態にあった健康増進施策の取り組みや疾病予防、再発・重症化予防の検討・実施によって市民健康寿命の維持・延伸をめざす。
2025 年度は、日立市内の各保険者の健康データを集約・分析する実証と、市民健康意識の醸成・健康行動促進に向けた、健康アプリを活用した AI 分析実証を開始する。
(1)市民の健康データの集約・分析
日立市民が加入する各保険者(国民健康保険、後期高齢者医療制度、全国健康保険協会茨城支部、日立健康保険組合、茨城県市町村職員共済組合)の健診データやレセプトなどの健康データ*5 (対象:40~79 歳の約 66,000人)を統計化された数値情報として集約し分析する。
(2)健康アプリを活用した AI 分析
日立市民の希望者に健康アプリを活用してもらうとともに、個人同意に基づいて健診データを提供いただき、AI 疾病発症予測結果と適切なアドバイスをフィードバックする。実証成果を踏まえ、次年度以降の効果的なフォローアップの施策を検討する。
3.地域包括ケアシステムの構築
介護を必要とする方を取り巻く医療・介護に関わるさまざまな関係者と家族が密に情報連携することで、介護を必要とする方の QoL を向上させ、自分らしく意思決定ができる地域包括ケアシステムの構築をめざす。2024 年 9 月からは、要介護者等の生活状況を ICT ツールを活用して在宅医療・介護事業者等が情報共有を図ることによって、「多職種情報連携の推進」と「医療・介護多職種の業務効率化」を同時に実現するモデル事業を実施する。2025 年度は、事業の参加者、参加事業所の拡大を図りながら、病院の地域連携室も加え、入院・転院・退院時における切れ目のない医療・介護サービスの提供に向けた新たな価値検証を実施する。
*3 各取り組みのグランドデザインは、【各取り組みにおけるグランドデザインの詳細】をご参照ください
*4 日立市公式ウェブサイト:「ひたち小児オンライン医療サービス」を開始しました
関連リンク
次世代未来都市 共創プロジェクトサイト デジタル健康・医療・介護の推進
【各取り組みにおけるグランドデザインの詳細】
1.地域医療のデジタル化

2.健康データの集約・活用

3.地域包括ケアシステムの構築

