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「atmaCup」で2位を獲得した日立のデータサイエンティスト諸橋政幸

データ分析の知見・経験と生成AIを活用し、短期間で高精度のモデルを実現

このたび、株式会社日立製作所(以下、日立)のデジタル事業開発統括本部Data& Design GenAIソリューション&ビジネスに所属するデータサイエンティストの諸橋政幸が、2025年7月25日から8月4日にかけて開催されたデータコンペティション*1「第20回 atmaCup」(以下、本コンペ)において、参加者624名の中から第2位の成績を収めましたことをお知らせいたします。諸橋にとって、本コンペの入賞は初であり、本入賞は国内トップレベルの技術力を示すものです。(本コンペの結果はこちら)

本コンペは、atma株式会社が主催する分析コンペティションとなっており、短期間で行われる点と、国内のKaggle上位陣も多く参加するハイレベルな点が特徴です。第20回目を迎える今回は、世界約8,100万人が学ぶオンライン動画学習プラットフォーム「Udemy(ユーデミー)」を国内に展開する株式会社ベネッセコーポレーションとの共同開催で行われました。参加者は、「どのような社員が社内公募に手を挙げるか?AIモデルによる応募者の予測」をテーマに、過去の労働時間や受講講座などに基づき、ある社員が社内公募に応募するかどうかを予測するモデルの精度を競いました。

従業員のキャリア自律支援や戦略的な人材配置といった、人事課題の解決に直結する今回のテーマに取り組む中で、諸橋は、応募者の実績数が少ないため、予測モデルの精度が安定しないという問題点に対し、複数の汎用的なモデルを組み合わせる「アンサンブル」という方法で解決しました。その際、機械学習モデルやニューラルネットワークに加え、大規模言語モデル(LLM*2)のファインチューニングといった技術も駆使して多様なモデルを作り、高い精度のモデルを実現しました。さらに、これまでのコンペティション経験やデータ分析業務で培ってきた知見を生かしながら、アイデア出しや実装のパートナーとして生成AI を積極的に活用することで、短期間で効率的に試行錯誤を繰り返しました。この戦略が功を奏し、見事上位入賞を果たしました。

「第20回atmaCup」表彰式でのプレゼンテーションの様子

日立は今後も社員がコンペティションへ挑戦することを通じて、実践的なスキルと最先端技術への知見を深めることを推奨するとともに、データとテクノロジーで社会とお客さまの課題解決に貢献することをめざし、新たな価値を創出するトップクラスのデータサイエンティストの育成と技術力強化に、一層注力してまいります。

*1: 主催者から配布されるデータを分析し、設定された課題に対して予測を作成してその精度を競うイベント
*2: LLM: Large Language Models(大規模言語モデル) 

諸橋政幸のプロフィール

株式会社日立製作所Data&DesignGenAIビジネス&ソリューション シニアAIエキスパート/AIアンバサダー諸橋政幸 - Digital Highlights:デジタル:日立

1999年に日立製作所へ入社。2012年よりデータ分析を使い顧客課題を解決する業務に従事。分析経験ゼロからスタートし、約12年間の実務経験を経て今に至る。2023年頃から生成AIを活用したユースケースの検討支援やRAGチューニングを支援するサービスの提供に取り組む。趣味として分析コンペティションに参加しており、分析コンペ歴は約8年。Kaggle称号はMaster。Kaggle Days Championship3位入賞、SIGNATEの創薬コンペ優勝、Nishikaのレコメンドコンペで2位入賞といった入賞歴がある。著書に 『Kaggleで磨く機械学習の実践力実務×コンペが鍛えたプロの手順』(リックテレコム, 2022 年 6 月)。

諸橋政幸によるコメント

■日立製作所 諸橋 政幸
この度は、atmaCupというハイレベルなコンペで2位という結果となり、大変光栄に思います。入賞をめざして何度も挑戦してきて、今回ようやく達成できたことを嬉しく感じています。
 今回の「社内公募への応募予測」という課題では、予測対象である応募者の数が非常に少なく、モデルの精度が不安定になってしまうため、そこをどうするかで苦労しました。そこで私は、特定のデータに過剰に適合してしまうリスクを避け、複数のモデルを組み合わせることで、どんなデータにも対応できる頑健なモデルを作ることに注力しました。特に、数値データが得意な一般的な機械学習モデルと、テキストデータが得意なLLMという大きく特徴が異なるモデルを学習して組み合わせたことが勝因の1つかなと思っています。
 また、今回は生成AIを「思考の壁打ち相手」や「実装のパートナー」として全面的に活用しました。AIは非常に強力なツールですが、ただ使うだけでは「自身の成長は望めないのではないか」という不安もあります。そこで、「AIの言うことを鵜呑みにせず、その提案を理解する時間を惜しまない」、「AIは使うのであって使われない」という姿勢を常に意識し、学びを最大化することを心がけました。
 このコンペで得た経験と知見を足がかりに、今後も最先端の技術に挑戦し続け、日立の事業や社会に貢献していきたいと考えています。

関連サイト

第20回atmaCupの結果
2025/8/29に開催したatmaCup#20の表彰式の様子(諸橋の表彰は00:19:00 - 00:19:30頃、諸橋のプレゼンは01:07:00 -01:26:00頃)
Lumada Data Science Lab.:協創アプローチ|Lumada:日立

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