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※画像は実証実験のイメージ図

ぷらっとホーム株式会社(以下、ぷらっとホーム)と日立製作所(以下、日立)は、安心・安全な新しいWeb3経済圏の形成に向けた実証(以下、本実証)を開始する。ぷらっとホームが提供する、現実世界のモノ(設備やデバイス、チケットなど)をブロックチェーン上に記録するためのNFT*1 技術(ThingsToken*2)と、日立のPBI*3 活用分散型ID管理技術(BioSSI技術*4)を連携する。これまでWeb3空間への接続には、スマートフォンやPCといったデバイスを通す必要があったが、本実証では生体認証だけでシームレスなWeb3体験が実現できるかを検証する。
本実証の第一弾として、10月4日に開催される屋外イベント「大曲の花火 -秋の章-*5」にて、入場管理における両者の技術の連携の有効性を検証する。実証実験の参加者*6 が事前に登録した顔情報から生成した公開鍵と、ThingsTokenによってNFT化された花火大会の入場チケットを紐づけ、Web3空間で管理する。入場時に顔認証*7 を行うことで、本人確認だけでなく有料席への入場権利の確認も可能となり、物理的な資産である紙の入場チケットと引き換えることができる。これによって、チケットの紛失や所持忘れの対策につながるほか、厳格な本人確認とチケットの所有権の確実な証明により、チケットの偽造や不正転売を防止する。

*1: 「代替不可能なトークン(Non-Fungible Token)」の略。「トークン」とはブロックチェーンから発行される電子的な証明書のこと。
*2: ぷらっとホーム株式会社が提供する技術で、現実世界のモノ(設備やデバイス、チケットなど)をブロックチェーン上に記録するためのNFTの一種。ThingsTokenはぷらっとホーム株式会社の登録商標。
*3: 日立の公開型生体認証基盤(PBI: Public Biometric Infrastructure)
*4: 日立のPBI技術を用いて生体情報から生成した暗号鍵にもとづき、分散・自己主権型の認証、ID(Identity)管理を実現する技術。(BioSSI: Biometrics-based Self Sovereign Identity)
*5: 大曲の花火 -秋の章- ぷらっとホームは「大曲の花火」について、2024年3月に大仙市と連携協定を締結しており、花火産業の活性化に向けたデジタル技術活用を進めている。
*6: 本実証の関係者
*7: 日立の「生体認証統合基盤サービス」を活用し、公開型生体認証基盤PBIとパナソニック コネクト株式会社の顔認証技術を融合することで、安心・安全な顔認証を提供。

背景

近年、デジタル社会の進展に伴い個人情報の保護やデータの利活用に対する関心が高まる中、個人が自分の情報や権利を自分で管理できる次世代のインターネット技術としてWeb3が注目されている。Web3は、自分の情報や権利を自ら管理できる自己主権型の仕組みが特徴で、個人が自分の情報を自分自身でコントロールできるため、プライバシーに配慮しながら安心してサービスを利用することが可能である。一方課題として、各々の情報や権利の保存、それらの提示がスマートフォンやPCなどのデバイスに依存しているという点がある。

本実証における技術検証の内容とメリット

本実証では、Web3空間上でThingsTokenとBioSSI技術を連携することによって、デジタルチケットと生体情報を紐づけ、本人確認や権利情報の管理を一体化することで、下記項目の有効性を確認する。

1. デバイスに依存しない、快適なWeb3サービスの利用
スマートフォンなどのデバイスの所持・操作を前提としないため、高齢者や子どもでも顔認証をするだけでWeb3サービスを利用することが可能になる。

2. Web3空間の資産と現実世界のモノの資産との連携
BioSSI技術では、顔認証を通じて本人確認を行い、本人に紐づいてWeb3空間上に登録される情報(個人情報、クレジットカード情報)などを引き出すことで手ぶらで決済や入場ができる。今回、ThingsTokenとBioSSI技術の連携により、顔認証をすると本人確認だけでなく、NFT化された入場権利の確認と、ThingsTokenによってそのNFTに紐づけられた紙の入場チケットとの引き換えが可能となる。

3. チケットの不正利用や紛失を防止
事前登録により購入された入場権利は、ぷらっとホームのThingsTokenでNFTチケットとして発行され、BioSSI技術により生体情報と紐づけられる。入場時には顔認証による本人確認を行うため、他人への譲渡やなりすましを防止することができる。

今後の展開

今後は、国内で実施されるイベントにおいて、地域クーポンやホテル宿泊資格、モビリティ利用資格など複数の資格情報と生体情報を結び付けて自己主権型で管理し、さまざまなサービスをデバイスの所持に関わらず利用できる新たなWeb3経済圏(ThingsDAO*8)の形成をめざす。
また、ThingsTokenとBioSSI技術を連携させたモデルを、物流やサプライチェーンなどにも幅広く横展開していくことを検討する。Web3技術を活用し、生体認証による本人確認とあわせて、製品の生産地や輸送経路などの情報をブロックチェーンで記録することで、改ざんできない形での管理が可能となる。これにより、サービスの流れがより透明かつ効率的になり、消費者の安心やブランド価値の保護にもつながることが期待できる。
ぷらっとホームと日立は今後も、多くの人が安全かつ快適に参加できるデジタル社会の実現をめざしていく。

*8: モノをデジタルで記述し(ThingsToken)、参加者であるステークホルダーとモノとの関係をスマートコントラクトで記述したデジタル空間(領域)。

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