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日立は、デジタルの力を活用し、地球環境、人々の幸福、経済成長が調和する、ハーモナイズドソサエティの実現をめざしています。そんな日立の取り組みを紹介する本企画”人と社会をライトアップ!”
今回は、最先端のDXを推進する日立グループの米国子会社GlobalLogicで、日本法人のGlobalLogic Japanの立ち上げから参画し、現在プロジェクトマネージャーとして活躍する初田和子さんにお話を伺いました。世界30カ国以上の多様な人財が集い、文化や商習慣の壁を乗り越えながら、現場の声を起点にスピーディかつ柔軟なソリューションを生み出し、お客さまの課題解決に取り組んでいます。GlobalLogicならではの組織文化と、その中で挑戦を続ける初田さんの想いに迫りました。

革新的な顧客体験を実現する、デジタルエンジニアリング力とデザイン力

ー 初田さんはGlobalLogic Japan 設立メンバーの一人と聞きました。GlobalLogic Japanの特長や強みは何ですか。

GlobalLogic Japanは、シリコンバレーに本社を置くデジタルエンジニアリング企業GlobalLogicが、日立製作所のグループの一員として日本市場のDXニーズに応えるため、2022年4月に設立した日本法人です。日本のお客さまに最適なデジタル変革を支援するため、GlobalLogicのスピード感や創造性と、日立の信頼性や技術力を掛け合わせた体制を整えています。

私たちの強みは、AI・クラウド・IoTといった最先端技術でアイデアを実際のサービスやプロダクトに落とし込む「デジタルエンジニアリング力」と、ユーザーの体験や感情を起点に価値を生み出す「デザイン力」を掛け合わせ、ビジネス課題を本質から解決できる点にあります。特にデザインの領域では、ユーザーの気持ちに寄り添って、課題や潜在ニーズを見つけ出す「デザイン思考」を大切にしています。

プロジェクトチームの体制面では、エクスペリエンス/ビジネスデザイナー、エンジニア、プロジェクトマネージャーがワンチームとなり、日本のお客さまに価値をお届けしています。役割としては、デザイナーが上流でユーザーの課題やニーズを深く理解し、ユーザーに寄り添う理想の体験を描きます。エンジニアが、その理想の体験を最新技術を駆使して実際のサービスやプロダクトとして実現可能な形にします。プロジェクトマネージャーは、お客さまのビジネスゴールを起点に、チームメンバー一人ひとりのスキルを最大限に発揮させながら整合させ、プロジェクト全体を成功に導きます。プロジェクトの要件に合わせて、世界中から最適な人財を集めて、ワンチームで取り組むことによって、お客さまのビジネス課題の解決やビジネスゴールの達成を、スピーディかつ確実に進めていくことができます。

画像: 初田和子(GlobalLogic Japan株式会社 エンジニアリング部門 プロジェクトマネージャー)

初田和子(GlobalLogic Japan株式会社 エンジニアリング部門 プロジェクトマネージャー)

多様な人財が集うチームで文化の壁を乗り越える

― 海外メンバーと協働する際、文化や商習慣の違いをどのように乗り越えていますか。

GlobalLogic Japanには、世界各国から多様なバックグラウンドを持つ人財が集まっています。こうしたグローバルチームは、創造的なアイデアや革新的なソリューションの源泉である一方で、文化や商習慣の違いによるコミュニケーションの難しさもあります。

例えば、日本は「ハイコンテクストカルチャー」と呼ばれる、言葉にせずとも行間を読み取る文化が根付いています。一方で、アメリカやインドなどのメンバーは、日本と比べると「ローコンテクストカルチャー」の環境にいるため、物事を明確に言葉で伝えることを重視しています。日々の現場では、このコミュニケーションスタイルの違いを理解し、意思の伝え方や受け止め方を適切に調整することが求められます。例えば、お客さまからのフィードバックや要求、タスクを海外のチームメンバーに伝えるときは、文字通り伝えるのではなく、「なぜお客さまはそのような要求をするのか」というコンテクストをあわせて丁寧に伝えることを意識しています。そうすることで、チームとしてのプロジェクトの方向性が合い、お客さまの期待に沿ったものを、スピード感をもって生み出すことができます。文化や商習慣の違いを互いに理解し、それぞれの強みを生かして協働する体制こそ、多様なメンバーが一体となって価値を生み出せる、私たちのチームの強みです。

またGlobalLogic Japanでは、こうした文化的なギャップを埋めるために、「バイリンガルエンジニア」の育成に力を入れています。外国籍社員に日本の商習慣や文化を体系的に学んでもらい、海外で培った技術力と日本独自のビジネス慣習の両方を理解できる人財を育てています。そうすることで、海外メンバーと日本のお客さまの間に立って、技術的な知見をスムーズにコミュニケーションできるようにしています。

また、GlobalLogicが強みとするアジャイル開発は、日本企業で一般的なウォーターフォール型の開発とは進め方が異なります。ウォーターフォール型は、初めに仕様をすべて決めてから設計・開発・テストと段階的に進めるため、途中で変更があると手戻りが発生しやすく、時間やコストがかかってしまうという課題があります。これに対してアジャイル開発は、短いサイクルごとに開発・テスト・改善を繰り返し、小さな単位で成果物を確認しながら進めるため、途中の仕様変更にも柔軟に対応できます。また、お客さまとも頻繁にコミュニケーションを取り、使いやすさや機能内容へのフィードバックを得て、それらを迅速に取り入れながら進められることも大きな強みです。ただし、アジャイルの良さを活かすには、開発の目的や方向性を、お客さまとチーム全員が正しく理解していることが不可欠です。だからこそ、私はプロジェクトマネージャーとして、お客さまと海外メンバーを含むチーム全体に対して、プロジェクトの進め方やコミュニケーションの取り方について丁寧に説明するようにしています。

ワンチーム×一気通貫で実現するDXの成果

― 多岐の領域にわたって実績があるようですが、具体的にどういった取り組みをされているのですか。

GlobalLogic Japanはこれまで、ノジマさまや大成建設さま、アフラック生命保険さまなど、さまざまな業界でDXを推進してきました。

GlobalLogicが手掛けたDXのうち、みなさんの身近な事例のひとつとして、マクドナルドさまの店舗に設置されたタッチパネル式の注文機「キオスク端末」があります。世界各国のユーザーの声を丁寧に分析し、利用者が迷わずスムーズに操作できるUI/UXを設計しました。その結果、利用者の満足度を高めるとともに、注文の効率化や店舗オペレーションの改善にもつなげています。

また、私がプロジェクトマネージャーとして関わったノジマさまの店舗DXでは、スマホアプリにデジタルフロアマップや店員呼び出しボタン、MY家電登録機能などを搭載し、顧客体験の向上をめざしました。このプロジェクトの特徴は、デザイナー、エンジニアが一体となり、国境や専門分野を超えたワンチーム体制で、デザインから技術実装まで短期間で実現できたことにあります。例えば最初に、ノジマさまとアメリカから来日したデザイナー、インドからリモート参加したエンジニアが、一同に会してアイデア検討のためのワークショップを実施しました。デザイナーがユーザーを中心とした革新的なアイデアを出すとともに、エンジニアがその場で実現可能性を判断することで、ノジマさまとGlobalLogic Japanが協創して価値を実現するアイデアを創出することができました。

現在は、小売業界のお客さま向けの需要予測システムの機能強化プロジェクトに携わっています。プロジェクトマネージャーとしてだけではなく、データサイエンティストやエンジニアと連携し、コンサルティング的な視点から現場の課題ヒアリングや精度データ検証を実施しながら、プロジェクトを推進しています。

「社会に残る価値」を提供する

― 今後、どのような目標を持って仕事に取り組みたいと考えていますか。

画像: 「社会に残る価値」を提供する

私は大学生の頃、世界をバックパック1つで横断していたときに、ものづくりの現場で作られたものが生活の中で使われなくなり、置き去りにされている光景を目の当たりにし、強い衝撃を受けました。そこで感じた悔しさから、「本当に社会に必要とされ、長く使われ続けるものを作りたい」という想いが自分のコアにあります。

これまで、デザイナー、エンジニア、データサイエンティストなど多様な職種・国籍のメンバーとワンチームで働き、プロジェクトマネージャーとして現場をまとめてきました。今後は、日本の現場で培ったプロジェクトマネジメントのスキルを生かし、グローバルなお客さまに対してもプロジェクトマネージャーとして価値を提供することに挑戦したいです。そして、その海外経験で得た学びとスキルをもって、再び日本のお客さまへ価値を創出していくことが今の目標です。

ひと1人の力では解決が難しい社会課題も、GlobalLogic Japanのような多様な人財と技術力を持つ組織なら変えられると信じています。現場のエンドユーザーが抱える課題を、デジタル技術とデザイン力で解決し、ニーズに応えていく。その積み重ねが、より良い顧客体験を生み出し、社会的価値の向上につながると確信しています。

― 日立は、デジタルの力を活用し、地球環境、人々の幸福、経済成長が調和する、ハーモナイズドソサエティの実現をめざしています。初田さんは、デジタルの力でどんな未来をめざしていますか。

私がめざす未来は、「デジタルの力で社会を革新し続けること」です。デジタル技術には、世界中の人々の生活やビジネスを大きく変える可能性があります。私は、現場のリアルな声を起点に、エンドユーザーに本当に役立つサービスやプロダクトを生み出し続けたいと考えています。

GlobalLogic Japanでの経験を通じて、グローバルな知見や最先端の技術を国内外で広く生かし、まだ埋もれている課題や可能性を掘り起こしていきたいです。デジタルの力を活用すれば、現場の小さな課題から、社会全体のより大きな課題の解決へとつなげていくことができます。

私は、誰もが「使ってよかった」と感じられるサービスを、ビジネスとして持続可能な形で世の中に届けることをめざしています。これからも、その実現に向けて、新しい挑戦を続けていきます。

画像: ― 日立は、デジタルの力を活用し、地球環境、人々の幸福、経済成長が調和する、ハーモナイズドソサエティの実現をめざしています。初田さんは、デジタルの力でどんな未来をめざしていますか。

関連Webサイト

画像: 初田さん出演ポッドキャスト- YouTube youtu.be

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