Microsoft Igniteは、Microsoftが、最新のサービスや技術動向などを発信する年次の開発者会議であり、世界各国からITプロフェッショナル、開発者、ビジネスリーダーが集まります。今年はサンフランシスコの現地会場に約20,000人、オンラインからは約200,000人が参加。現地では400以上のセッションと70以上の新発表に加え、幅広いMicrosoftパートナーによる展示も行われ活気に満ちていました！
キーノートセッション
イベント初日に開催の基調講演は、約1万8000人規模のアリーナであるChase Centerで開催され、360度から見渡せる会場設計を生かし、臨場感の溢れる演出でスタート。キーノートではMicrosoftのコマーシャルビジネス部門CEOであるJudson Althoff氏を中心に生成AI、クラウド、セキュリティ、コラボレーションツールなどさまざまな分野での最新アップデートが発表されました！特に印象的だったのは、AIを活用して来場者2万人分のTシャツを発注するデモ。Copilotを使って見積もりから発注までの様子がライブで実演され、発注したTシャツが実際に会場の出口で参加者全員に配布されるというもの。Copilotによってさまざまな業務の効率化の可能性を体感できる内容でした！さらに、Microsoft Agent 365や、Work IQ・Fabric IQ、FoundryIQといった3つの「IQシリーズ」の発表などもあり、デモや顧客事例を交えながら多彩なアップデートが紹介され、会場は終始熱気に包まれていました。
日立のセッション
今回日立からはChief AITransformation Officerである吉田順が、「Apps, agents, and MCP is the AI innovation recipe」のセッションに登壇。MicrosoftのSenior Product Marketing Manager Devanshi Joshi氏、Partner Director, Product Management Nir Mashkowski氏、Senior Product Manager Jordan Selig氏より従来のルールベースの業務アプリから、AIによる自律的な意思決定とリアルタイム対応へと進化する重要性が語られ、MicrosoftのMCP（ModelContext Protocol）やAzureの最新機能を組み合わせることで、在庫管理やセキュリティおよび認証基盤の強化などさまざまな業務が自動化される様子をデモで紹介しました。
セッション後半には吉田から、日立のAIソリューション群であるHMAXを紹介。これまで蓄積してきたIoTデータやドメインナレッジをエージェンティックAIやフィジカルAIと掛け合わせることで、Lumada 3.0として新たな価値創出につなげるというものです。その事例の一環として、Azure AI FoundryやMicrosoft Agent Frameworkなどを活用した製造分野における日立のフロントラインワーカー向けマルチエージェントを解説。日立では、産業製品にIoTセンサーを組み込み、Microsoft Azure上に蓄積した運用データと膨大な技術文書をAIエージェントで活用することで産業用製品の保守業務に役立てています。実際のデモでは、エアコンプレッサーの異常検知から保守作業までをAIエージェントがサポート。温度異常を検知した際には、作業員に冷却ファンやフィルターの清掃手順をガイドし、必要な図面も即座に提示する様子を紹介しました。日立はこのAI変革を「カスタマーゼロ」と位置づけ、モビリティ・エネルギー・産業分野でのデジタル化を推進しています。Microsoftとの協業を通じて、社会に貢献するAIエコシステムの構築をめざしていきます。
セッションは開始30分前から長蛇の列ができ、会場は満席、さらに立ち見席まで埋まる盛況ぶり。MCPやエージェント型システムへの注目度の高さがうかがえました。セッションの様子は、Microsoft Ignite2025のサイトに掲載されていますのでぜひご覧ください！
展示会場
展示会場は、Microsoftの展示と協賛企業ブースに分かれており、Microsoftのブースではクラウド、セキュリティ、AIビジネスソリューションなど各分野の製品ごとにMicrosoftのプロフェッショナルが常駐し、来場者の質問に答えたり、ハンズオンでのサポートを行っていました。また、Azureのデータセンターをレゴブロックで再現したユニークな展示や、Windows40周年を記念した年代別製品クイズなど、来場者を引き付ける工夫が随所に見られました。さらに、最先端技術を活用したデモや事例紹介なども各所で行われており、実際に製品やサービスを体験しながら、最新のトレンドや技術動向を学べる見どころ満載の展示会場となっていました。
日立とMicrosoft
日立は、マイクロソフトとの戦略的パートナーシップのもと、企業と社会に変革をもたらす革新的なソリューションの創出に取り組んでいます。両社の技術やサービスを掛け合わせ、Lumada事業の成長やグループ全体の生産性向上、そして持続可能な社会の実現に向けて、今後も協業をさらに深化させていきます。
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