・自社実践で培った最先端のAI知見・技術でHMAXの高度化を図り、日立グループおよび顧客のAXを加速
※ 写真は米国オクラホマ州ノーマンのストレージ製造拠点
日立と、日立のグループ会社である日立ヴァンタラは、米国オクラホマ州ノーマンのストレージ製造拠点が、世界経済フォーラム(World Economic Forum、以下WEF)より、AIやロボティクスなどの技術を活用した第4次産業革命をリードする世界で最も先進的な工場「Lighthouse (ライトハウス)」の一つに選出されたことを発表した。本選出は、2020年に「Lighthouse」に認定された日立の大みか事業所*1 に続き、日立グループとして2拠点目となる。
ノーマン拠点は、AI駆動型のビジネス変革を支える高度なデータインフラを製造しており、エンドツーエンドのデジタル製造・サプライチェーンの中核を担う拠点である。同拠点は、業務全般にわたり徹底したAI活用を実践した。グローバルでの需要予測や在庫管理に Agentic AI を活用し、受注から出荷までのリードタイムを77%短縮、在庫を50%削減する成果を達成した。こうした需要の変動に即応できるAIを活用したレジリエントなサプライチェーンの構築や、CO2排出量の大幅な削減といった包括的な取り組みが評価され、今回の選定に至った。
日立は、自社をカスタマーゼロと位置付けて取り組んできたこれらの実践を通して、最前線のAI技術や知見を取り込むことで、社会インフラをAIで革新する次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi(以下、HMAX)」をさらに高度化し、日立グループおよび顧客のAIトランスフォーメーション(AX)を加速する。今後、ノーマン拠点で得た知見を日立レールなどのグローバルな生産拠点にも展開し、One Hitachi でOT(制御・運用技術)領域のAXを推進するとともに、実践での確かな技術・ユースケースでHMAXを強化するスパイラルアップを図る。
日立は、One Hitachi でHMAXの強化と提供に取り組み、グローバルな幅広い産業で顧客の現場のAXを加速させることで、サステナビリティや生産性、レジリエンスの向上による持続的な事業成長に貢献していく。
*1: 2020年1月10日プレスリリース: 日本企業として初、日立の大みか事業所が世界経済フォーラム(WEF)より世界の先進工場「Lighthouse」に選出
背景
Global Lighthouse Network はWEFが主導する取り組みであり、生産性、サプライチェーンのレジリエンス、顧客中心主義、持続可能性、人財の各領域で卓越した成果を実現した、トップクラスの事業拠点およびバリューチェーンを認定するものである。2020年に日立の大みか事業所が日本企業で初めてLighthouseに選定されて以来、日立は同事業所を「Lumadaの実践工場」と位置づけ、現場で培った最先端のデジタル技術をグループ内外へ展開する取り組みをグローバルに加速させてきた。
現在、AIの急激な普及などに伴い、企業のビジネス変革を支えるデータインフラの需要は急増している。米国ノーマン拠点では、AI向けインフラストラクチャーの基盤を提供する「Hitachi Virtual Storage Platform One(VSP One)」のような信頼性の高いストレージ製品を製造している。同拠点は、グローバルでの需要変化やカスタマイズ化が進む顧客要求により、約3,000種にも及ぶ複雑な製品構成へ迅速に対応するための意思決定のスピード向上やリソース調整といった課題解決に取り組んでいた。そこで、両社は連携し、最先端のAI・デジタル技術を同拠点に導入し、データ活用にとどまらず、AIによる自律的な判断・制御まで踏み込んだ HMAX Industry のカスタマーゼロのショーケースとして、受注から出荷に至るエンドツーエンドのサプライチェーン改革を推進した。
具体的な取り組み
(1) AIによる需要予測と経営プロセスの高度化
AIを活用し、顧客との接点からバックエンドの計画までを一気通貫で最適化した。まず、システム上の商談データからAIが月次需要を予測し、需要予測の精度を約19%向上させた。さらに、営業担当者が受け取るRFP(提案依頼書)に対し、AIが技術情報や過去の提案内容を基に回答案を自動作成することで、顧客への反応時間を約26%短縮した。これらにより、変化の激しい市場環境に対応し、顧客の高度なニーズに迅速に応えることができるようになった。
(2) グローバルサプライチェーン全体の最適化
世界各拠点の在庫・サプライヤー情報を単一のダッシュボードに集約する「グローバル在庫コントロールタワー」を構築した。AIが部品ごとに最適な安全在庫数を算出することで、欠品リスクを抑えながらグローバルで在庫を約50%削減することに成功した。これにより、キャッシュフローの改善と、棚卸資産の最小化を実現している。
(3) AIによる自律的な製造現場の実現
製造現場では、Agentic AI を活用した自律的なオペレーションを推進した。顧客ごとに異なる複雑なソフトウェアの構成セットアップを、Agentic AI が複数システムから情報を取得・連携し、自動化している。これにより、CTO(受注仕様生産)のリードタイムを84%という劇的な短縮を達成した。また、「リアルタイム作業ナビゲーター」が、デジタル作業指示と AI Vision による画像認識で作業逸脱をリアルタイムに検知し是正する。これらにより、新人作業員の研修時間を80%短縮し、高品質なモノづくりと柔軟な人員配置を両立させている。
世界経済フォーラム(WEF) 常務理事 Kiva Allgood(キーヴァ・オールグッド)氏のコメント
世界をリードする製造企業は、もはや個々のプロセスを最適化する段階にとどまらず、オペレーティングシステム全体を再構築しようとしています。最新の「Lighthouse」に選定された工場は、いかにしてインテリジェンスが日々の操業体制に深く組み込まれているかを示しています。これにより、企業はより迅速に対応し、継続的に学び、バリューチェーン全体で新たなレベルのパフォーマンスを引き出すことが可能になります。
日立製作所 執行役副社長 デジタルシステム&サービス部門長 阿部 淳 のコメント
2020年の大みか事業所に続き、ノーマン拠点がWEFの「Lighthouse」に選出されたことを大変誇りに思います。日立は「真のOne Hitachi」体制のもと、自らの製造拠点をカスタマーゼロと位置づけ、徹底したAI活用によるトランスフォーメーションを進めてきました。ノーマン拠点での Agentic AI を活用した成果は、IT・OT・プロダクトのユニークネスを融合する日立ならではの実践例です。今後、ここで得た知見やユースケースをHMAXを通じてグローバルなお客さまに提供し、産業界全体のレジリエンス向上と持続可能な成長に貢献していきます。
Hitachi Vantara CEO 兼 日立ヴァンタラ株式会社 代表取締役 取締役社長 島田 朗伸 のコメント
世界中のビジネスがAIによって加速する中、それを支える強固なデータインフラの重要性はかつてないほど高まっています。日立ヴァンタラの主力製造拠点において、エンドツーエンドのサプライチェーン改革を成し遂げたことが、今回WEFに高く評価されたことを誇りに思います。最先端のAI技術を駆使し、この変革で培った知見を VSP One データプラットフォームや Hitachi iQ をはじめとする当社のソリューションに組み込むことで、私たちはお客さまのイノベーションを加速し、データのレジリエンスを高め、ハイブリッドクラウド環境全体にわたるデータの活用と価値の最大化を支援してまいります。
関連リンク
HMAX|Lumada:日立
Hitachi iQ | Hitachi Vantara
Hitachi Virtual Storage Platform One | Hitachi Vantara
The Gap Between AI-Capable and AI-Ready | Hitachi Vantara
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