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再生可能エネルギーの地産地消推進でカーボンニュートラル実現をめざす

東京電力パワーグリッド株式会社(以下、東電PG)と日立は、電力系統における電力需給バランスの最適化とカーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)の有効活用実現に向け、共同で実証実験を行い、複数エリアのデータセンター間における計算負荷の分散制御等を活用した系統連携型エネルギーマネジメントに関する基礎技術を確立した。
※本基礎技術については、本年6月29日に特許を出願済み。

カーボンニュートラル実現には、社会コスト増大との折り合いが必要

国内における2050年カーボンニュートラル実現に向けて、再エネ利用の大幅な拡大が見込まれているが、電力系統の制約を要因とした再エネの出力制御や電力設備増強による社会コストの増加が課題となっている。さらに、2030年には国内のデータセンター(以下、「DC」)の増設等に伴い、DCの電力需要は、国内の消費電力の約10%にあたる860億kWhに増加する見通しであると公表*1されている。
また、DCを稼働するための電力の輸送コストに比べて、DCにて処理したデータを輸送する通信コストの方が経済的なことから、再エネ等含む発電所に近い場所へDCを設置することが重要である。現在、再エネは地方エリアで多く発電されていることから、再エネの地産地消が求められている。このような背景を受けて、各エリアで発電される再エネを有効活用すべく、発電量に見合った電力需要の創出に向け、今後はDCを活用したエネルギーマネジメントを推進することが重要となる。

*1: 国立研究開発法人科学技術振興機構:"情報化社会の進展がエネルギー消費に与える影響(Vol.2)"(令和3年2月)

データセンターを調整力として活用する実証を実施

東電PGと日立は、DCが存在するエリア毎の再エネ発電状況を踏まえ、電力需要を他のエリアに分散させるエネルギーマネジメントの実証実験を、2022年10月より実施した。実証では、茨城県内のコンテナ型DCと東京都内のサーバールーム間を接続し、電力需給シミュレーションデータに基づく調整要求にあわせて、DCの計算負荷の空間シフト、エリア内での計算負荷の時間シフト、ならびにDC内の空調等のDER*2制御を行った。これにより、DCにおける分散制御によるエネルギーマネジメントの「基礎技術」を確立することに成功した。

*2: DER: Distributed Energy Resourcesの略で、分散型エネルギー源

本技術を活用した電力需給調整が、将来的に需給調整市場への入札要件を満たす可能性があることを確認

また、DCのエネルギーマネジメントによる電力需要調整について、将来的に需給調整市場へ投入するにあたり、同市場における本技術を活用した電力需要調整が入札要件を満たす可能性があることを確認した。

電力安定供給と社会コスト低減の両立に向けて事業化を進める

今後、東電PGと日立は、一連の実証を通じて確立した「基礎技術」を需給調整市場においてDCを電力需要の調整力とすべく、引き続き実証を重ね、電力安定供給と社会コスト低減の両立に向けて事業化を進めるとともに、2050年カーボンニュートラルの実現をめざしていく。

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