*1 エンジニアに関する知識を記録・共有するためのサービス
検証に至る背景
近年、基幹システムにおいても、ビジネス環境の変化へ対応するアジリティの向上やコストの最適化に向けたクラウドの活用が進み、異なるクラウドベンダの多種多様なサービスを適材適所に組み合わせるマルチクラウドの採用を検討する企業も増えている。マルチクラウドは、適切なサービスの選択が容易、事業継続性の確保、コストの最適化などのメリットは多い反面、物理的に距離のある異なるクラウドのサービスを1つのシステムとして活用するためには、性能や信頼性の確保が課題となっている。
このような背景の中、日立はお客さまの基幹システムのクラウド移行の支援として、各種データベースを安定稼働させるための評価を行っている。また、オラクル社とマイクロソフト社は、OCIとAzureとの間でセキュアかつ低遅延でプライベートな相互接続のネットワーク、およびこれらをシームレスに利用するためのサービス*2を2020年より日本国内向けに、順次拡張している。
今回日立は、既存の基幹システムでOracle DatabaseとWindows系の業務システムを利用しているお客さまの移行先として、OCIとAzureのマルチクラウド構成を安心してご利用いただくために、オラクル社と共同で以下の検証を行った。
*2 プライベートな相互接続を担うOracle Interconnect for Azure、およびシームレスな利用が可能なOracle Database Service for Azureを提供
検証の概要
本検証において両社は、データベースに高い性能と可用性が求められる基幹系のOracle データベースシステムを、OCIとAzureのマルチクラウド環境へ移行することを想定し、基幹システムを模したマルチクラウドの実環境を構築して評価を行った。
- 想定業務:受発注処理を行う在庫管理(ベンチマークツール)
- 検証したワークロード:大量のトランザクション処理、大規模夜間バッチ
(例)オンライン受発注取引システムと同様のトランザクションを1秒間に1,000回以上ランダムに発生させた - 比較対象:OCI単体の環境と、OCIとAzureのマルチクラウド環境において、性能と可用性について比較
本検証で得られた主な結果
(1)大量トランザクション処理について、基幹業務に耐えうる性能を発揮
マルチクラウド環境においてOCI単体の環境と遜色ない性能を確認。
(2)大規模夜間バッチ処理について、バッチ処理のデータ量に応じた適切なチューニング方法を確認
クラウド間にまたがる大規模夜間バッチ処理では、ネットワークの遅延時間がシリアルに積みあがり、データ量が増加するほど処理性能への影響が出やすい。そこで、バッチ処理のデータ量に応じた適切なチューニング方法を確認。
(3)必要な可用性のレベルに応じたマルチクラウド環境の組み合わせ条件などを明確化
求められる可用性や可視性のレベルに応じて、マルチクラウド構成の組み合わせを選択する必要があり、その選択の目安となる条件や観点を明確化。
検証結果の活用と今後の取り組み
両社は今回の共同検証の内容を検証レポートとして、基幹システムにてマルチクラウド構成の採用を検討している企業のIT部門向けに、12月末までに「Qiita」で公開する。さらに最新の「Oracle Database@Azure」*3についても今後検証を行い、お客さまが安心して採用できる選択肢をより多く提供できるよう両社の取り組みを強化する。
また日立は、今回得られた基幹システムのマルチクラウド環境への移行における知見を、「クラウド&DXオファリング」に反映し、今後も既存システムのモダナイズとデジタル活用による業務革新に向け、構想策定から設計・構築・運用フェーズにわたり貢献していく。
*3 OCI上で提供されているフルマネージドのデータベースサービスをAzure上でも利用可能にしたもの。オラクル社とマイクロソフト社から2023年9月に発表
関連Webサイト
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商標関連
・Oracle、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle Corporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
・Microsoft、Windows、Azure は、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
・Windows の正式名称は、Microsoft Windows Operating System です。
・その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。