AI アバターを活用し、駅の特性やお客さまのニーズに合わせた情報提供と駅係員の案内業務をサポート
京王電鉄と日立製作所は、2024 年 12 月 2 日から 2025 年 3 月 2 日の期間で AI 駅係員サービスの実証実験を行う。本実証では、インバウンド対応やタイムリーな情報共有などの案内サービスの質向上に加え、駅係員の案内業務サポートを目的に、相模原線の橋本駅と京王多摩センター駅の2駅に、AI アバターを搭載したタッチパネルディスプレイを設置する。本実証を通じ、電車の時刻表や乗り換え案内、駅周辺の施設案内や目的地までの移動経路など、お客さまの知りたい情報を収集・分析するほか、AI アバターの利用率などを検証することで、お客さまが求める情報をタイムリーに提供し、お客さまの快適な駅利用の実現をめざす。
背景
近年、少子高齢化に伴う労働人口の減少や、インバウンド需要の高まりによる訪日外国人観光客の 増加により、駅係員の案内業務における高度な応対の必要性がさらに高まっている。京王電鉄では、多様なお客さまへの案内サービス拡充および DX 活用による駅係員の案内業務サポートを重要課題と捉えている。この課題解決に向けて、京王電鉄と日立は、駅周辺の案内のニーズが高い橋本駅と、テーマパークを有し訪日外国人観光客の利用も多い京王多摩センター駅の 2 駅で、AI駅係員サービスの実証実験を行う。
AI 駅係員サービスの特長
日立は、鉄道業界が抱える課題を解決するため、さまざまな機能を有した AI 駅係員サービスの検討を進めてきた。特長は、以下の4点。
(1) 生成 AI を活用し、複雑な問い合わせにも自動で応答
(2) 遠隔応答やスマートフォン対応により、お客さまが利用しやすい方法でご案内が可能
(3) 駅の特性やお客さまのニーズに合わせた情報を提供
(4) 多言語機能でインバウンド需要に対応(本実証では日本語・英語・中国語・韓国語)
AI 駅係員のアバターが搭載されたタッチパネルディスプレイに、お客さまが問いかけると、AI 駅係員が自動で応答する。生成 AI に駅係員として答えさせたい内容を学習させることで、正当性と応答精度の高い自動応答を実現する。さらに、駅係員が自由に投影情報を作成・設定できるため、駅周辺施設のアクセスや、定期券購入の開始時期など、お客さまのニーズや季節・イベントなどに合わせ、FAQ 応答ができる範囲を広げることができる。
また、京王電鉄のホームページと連動し最新の運行情報を表示するほか、列車のダイヤが乱れた際は、駅構内の最新案内に誘導するアナウンスを表示する。駅に設置されたタッチパネルディスプレイだけでなく、AI 駅係員のポスターの NFC タグ*1にスマートフォンをかざすと、スマートフォンのブラウザ上でも同等のサービス*2を受けることができる。そのため、タッチパネルディスプレイが他のお客さまの利用中でも、自分のペースで利用することが可能だ *3。
*1 株式会社 日立ハイテクネクサスの NFC タグ関連サービス「真贋判定サービス(MiWAKERU®)」と連携
*2 システムの拡張性に優れている Amazon Web Services(AWS)のパブリッククラウドを活用。(AWS は、米国および/またはその他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の登録商標または商標です。)
*3 スマートフォンで AI 駅係員サービスを受けられるのは AI 駅係員サービス設置駅のみ
実証実験の概要
- 期間:2024 年 12 月 2 日(月)~2025 年 3 月 2 日(日)
- 場所:相模原線 橋本駅 2F 改札付近
相模原線 京王多摩センター駅 2F 精算機付近 - 利用可能時間:04:00~25:00
今後の展望
京王電鉄は、本実証をもとに、多様なお客さまへの案内サービス拡充および駅係員の案内業務サポートを実践し、今後もお客さまが快適に駅・電車をご利用いただけるような AI の活用方法をさまざまな角度から検討する。
日立は、駅係員の案内業務サポートと公共交通機関を利用するお客さまのニーズに合わせた最適な案内サービスの実現に向け、AI 駅係員サービスの社会実装をめざし、今後も機能強化や実証実験を推進する。
お客さまのお問い合わせ先
京王お客さまセンター TEL:03-3325-6644(9:00~18:00)
※2024 年 12 月 30 日(月)~2025 年 1 月 3 日(金)は休業