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日立の生成AI活用開発フレームワークを導入し、効果検証における25%の生産性向上を踏まえ、実業務で利用開始

MS&ADシステムズと日立は、このたび、保険分野のミッションクリティカルなシステム開発における、生成AIを本格適用する取り組みを開始した。
MS&ADインシュアランスグループのIT戦略を担うMS&ADシステムズでは、「世界トップ水準の保険・金融グループをITで支える」という使命のもと、先進デジタル技術を活用し、ITを通じた高品質なサービスを提供している。また、MS&ADインシュアランスグループにおける、事業成長・競争力強化・サービス革新などの経営課題解決のため、DX推進や業務効率化にも取り組んでいる。こうした中で、MS&ADシステムズは、日立のシステム開発ナレッジと生成AIを組み合わせた、生成AI活用開発フレームワーク「Hitachi GenAI System Development Framework」(以下、本フレームワーク)*1 の実業務での利用を2025年12月から開始した。
日立が提供する本フレームワークは、コードの生成などシステム開発のプロセス全般をアシストする5つの機能で構成されている。その一つとして、本フレームワークを適用しプロンプトを生成することで、プロンプト情報の入力の手間を削減し、技術者の経験や生成AI利用の熟練度に依存せず、システム開発における品質の高いアウトプットを実現する。
MS&ADシステムズにおいては、開発プロセスの効率化や品質向上に向け、2025年1月から、日立とともに、本フレームワークを導入し、その後効果検証を実施した。その結果、システム開発の製造・単体テスト工程において、ミッションクリティカルなシステム開発に求められる品質でアウトプット生成が実現できたことや、約25%の生産性向上を確認したことを受け、本工程における実業務の利用開始に至った。
今後、MS&ADシステムズと日立は、本フレームワークの活用範囲を拡大し、MS&ADシステムズ全体のシステム開発の全工程に適用することをめざす。これにより、MS&ADシステムズにおけるシステム開発のさらなる効率化および品質向上を図ることで、商品・サービスを迅速かつ柔軟に提供できる環境を実現する。

*1: システム開発に携わるエンジニアが、生成AIを容易に使いこなすことが可能となる開発フレームワーク。システム開発のプロセス全般をアシストする5つの機能を備えており、標準開発プロセスに合わせてこれらの機能をカスタマイズすることで、生成AIの適用効果をより引き出すことが可能。
https://www.hitachi.co.jp/products/it/appsvdiv/service/genai/index.html

背景

近年、システム開発における専門人財不足への対策として業務効率化や、属人化解消のための標準化が求められており、生成AIを活用した効率化の取り組みが加速している。一方、IT構造改革を通じた事業基盤の強化や、エンドユーザーとの接点をデジタル化するなどのサービス革新が必要とされる中、企業はIT戦略の高度化と迅速なサービス提供が求められている。その中核を担う金融機関の大規模なミッションクリティカルシステムの開発においては、生成AIを活用する際に、技術者の負荷を軽減することと、高い品質を担保するという面で課題がある。
具体的には、生成AIを活用したシステム開発では、前提条件や業務要件など、大量で複雑なプロンプト情報の入力を必要とするため、プロンプトの作成に携わる技術者に負荷がかかる。また、生成AIを扱う技術者の経験や知識によって、プロンプトの内容や情報量にばらつきが生じることで、生成AIから得られる回答品質に差が発生する。
こうした中で、日立では、自らデジタルセントリック企業への変革を図る中で、人財不足の課題を抱えるソフトウェアエンジニアの働き方の革新や生産性向上をめざしている。日立社内の検証では、本フレームワークにより、生成AIが生成したアプリケーションのソースコードのうち70~90%の割合で適切にコード生成ができていることを確認するなど、機能強化とユースケースの蓄積を図ってきた。
これらの課題や日立の実績をもとに、今回、MS&ADシステムズと日立は、本フレームワークを実業務に適用した。

MS&ADシステムズにおける生成AI活用開発フレームワーク適用の概要

MS&ADシステムズと日立は、2025年1月から4月にかけて、MS&ADシステムズに本フレームワークを導入した。次に、2025年5月から9月にかけて、導入した本フレームワークの実業務への適用に向け、MS&ADシステムズの主要業務である自動車保険の既存システムにおける機能追加開発を対象に、従来型開発手法との比較による効果検証を実施した。
効果検証では、本フレームワークにおける、コード開発をアシストする機能を用いてアウトプットを生成した。その結果、製造・単体テスト工程においては、従来型開発手法による生成結果に近い精度が得られたことで、品質および工数削減効果の観点から、実業務への適用に十分通用するという評価となった。これにより、本フレームワークを活用することで、技術者の生成AI利用に関する熟練度に依存せず、高いパフォーマンスが期待できることから、MS&ADシステムズは製造・単体テスト工程を起点に、実業務での利用を開始した。

今後の展開

今後、MS&ADシステムズと日立は、本フレームワークの適用範囲を拡大し、MS&ADシステムズ全体のシステム開発において、上流工程である要件定義や外部設計を含めた、全工程への適用をめざす。これにより、開発プロセスを効率化することで、より高品質な商品・サービスの迅速な提供に貢献する。日立は、これまでのミッションクリティカルなシステム開発の豊富な知見に加え、生成AIの適用を進めることで、顧客の経営課題解決に向けたシステムインテグレーションの変革を推進する。

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